東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

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東京医科歯科大 医学科3年生の講義 年度初め~GWまで

怒涛の2週間がおわりました。

今年度は新型コロナウイルスの影響でほぼすべての講義がオンラインになっています。しかし試験や実習など、どうしても大学に行かないと実施が難しいものもあります。でも大学側としては、なるべく学生には出入りしてほしくない。

というわけで、夏休み前最後の2週間に試験と実習が詰め込まれ、午前中試験、午後実習、を繰り返すハードスケジュールとなりました。

とはいえ先生方も試験勉強に配慮してくださり、実習は例年よりもだいぶ簡略化されたようで、「すでにPCRがおわったサンプルがこちらに…」「すでに調整された試薬がこちらに…」という感じで3分間クッキングでした。

 

これから夏休みです。当初は1週間の予定だったのですが、これまた先生のご配慮で、なんとか2週間確保されました。

コロナ前の予定と比べるとだいぶ短縮されてしまいましたが、社会人だったころと比べたら、2週間丸々フリーな時間があるなんて天国です。しかも保育園はフル稼働してくれているので、本当に自分の時間がたっぷりある状況です。

 

せっかく時間があるので、3年生前半の講義の内容を振り返ってみようと思います。医学部生活をイメージすることで入学を目指すみなさんのモチベーションが上がれば嬉しいです。

長くなってしまったので、本記事ではまずGWまでに実施された5講義について書きます。

 

4月~GWまでの講義

4月からGWまでの間に、実施された講義は以下の5つです。

  • 衛生学
  • 公衆衛生学
  • 行動科学
  • 法医学
  • 東洋医学

東洋医学以外の4つは「社会医学」というジャンルに入るものです。

コロナ騒ぎの中で衛生学、公衆衛生学、行動科学を学べたのはとても意義深かったです。個々の講義テーマは、職場環境と発がんの関係、法と医療制度、ストレスの心理などいろいろでしたが、環境や仕組みそのものにアプローチして一度に多くの人に影響を与える(多くの人を救う)ことは、医師の仕事としても魅力的でした。

 

公衆衛生学

おぼれている人を助けるのが現場の医療だとすると、上流で何が起こっているのかを調査してその原因にアプローチするのが公衆衛生、だそうです。多くの人を対象にした疫学調査の話がメインです。

COVID-19について自由テーマでシステマティックレビュー(論文を網羅的に調べて分析)を行う課題がありました。なかなかハードでしたが、かなり勉強になりました。

疫学系論文の読み方についての講義もありました。試験はこれを実践するもので、実際に論文を1つ読んで、サンプルの選び方、アウトカムの設定などについて良い点/悪い点を指摘するというものでした。

 

衛生学

公衆衛生と似ていますが、もうちょっと具体的で現場よりな印象で、特に発がんの話題が多かったです。職業がんに詳しくなりました。感染症法まわりの話がタイムリーで面白かったです。

世界で初めて「人工がん」を作ってその後のがん研究に大きな貢献をしたのが日本人だったことは、衛生学の講義で初めて知りました(山極勝三郎先生です)。がんの医療に関わっていれば知らない人はいないくらい有名らしいです。

実習として、化学物質の発がん性を調べるもの(Ames試験)と、アルコール/アルデヒド分解酵素の有無を調べるものがありました。

 

行動科学

行動科学はゆるっとした講義でした。内容としては心理学に近かったです。好きなジャンルなのですが、その分知っていることも多くて時々退屈でした。試験も激ゆるで全員合格でした。

教育担当主任の先生が「なかなか他で学ぶ機会がないけど、現場で本当に役に立つのが行動科学だって、君たち気づいてるかな…?」と言っていたのが印象的でした。

 

法医学

社会医学の中に入るものの、カラーが全く違うのが法医学です。

アンナチュラルとか、監察医朝顔とか、法医学系のドラマがお好きな方もいるんじゃないでしょうか。担当教授は、こういうドラマの監修をしょっちゅうしているようでした(ドラマ監修したいなら法医学か解剖学がねらい目?)。

分野の性質上、講義内容は結構えぐいです。が、とても興味深い。

法医学というと、死体を解剖して死因を追究してと言うイメージですが、他にもとても大切な仕事があります。身元特定です。亡くなられた方をご家族のもとに引き渡すために、法医学者と法歯学者が活躍しています。その方法についても学びました。

実習では尿からの薬物特定、DNA多型の判定、死亡診断書(死体検案書)の作成を行いました。死亡診断書は医師なら絶対にいつか書くもので…紙一枚ですが、とても重みがありました。

法医学の試験勉強中は、ブラウザの検索履歴が犯罪者みたいになります。変換も法医学仕様になります。さっき「医師」と打ちたくて「いし」を変換したら「縊死」が出てきました…。

 

東洋医学

得手不得手がはっきり分かれるのが東洋医学だと思います。実際に医科歯科の婦人科で東洋医学を実践されている先生が講義してくれました。経絡については他院の鍼の先生の特別講義でした。中医学についてはこの講義でしか学ぶ機会がないので貴重です。

しかしとにかく覚えることが多い。言葉も理論も全然違うので、中医学の世界に慣れるまでが大変です。百脈は肺に朝する、虚証で母病及子、イライラして脾胃が不調なのは木行の肝が土行の脾を相乗しているから、そんな世界です。

講義は丁寧で、一回腑に落ちてしまえば面白いです。私は試験直前に勉強しながらやっとわかってきた、という感じでした…。オンラインじゃなければ実際に鍼を打ってもらったり、漢方を試したりできたみたいなのが惜しいです。

 

GWまでの生活

とにかく実習(主に解剖実習)が多かった2年生と比べて、3年生は座学がメインとなっています。オンラインになって一番ダメージが少ないのは3年生だと思います。

4月5月は急にオンライン講義となり、しかもほぼ社会医学系ということもあり、なんとなく気が緩んでいた人も多かったような気がします。

本来は、上記5科目はGW後に試験があって完了する予定だったのですが、緊急事態宣言のさなかに登校することもできず、延期延期で結局試験は夏休み前になりました。

 

 

次の記事ではGWから夏休み前までの講義をご紹介しようと思います。こちらはゴリゴリの臨床医学系講義です。

今年の編入試験は9~10月になったんですよね。編入試験関係の情報もまた発信したいと思っていますので、もし何か「これを!」というものがあればリクエストください。