東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

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東京医科歯科大 医学科3年生の講義 夏休み後~年度末まで その2

前記事に続いて、3年生の後半の講義についてざっくりと振り返ってみます。

 

夏休み後~年度末までの講義

夏休みのあと、年度末までに実施された講義は以下の10科目です。

その2では後半5つについて書きます。

  • 神経科
  • 体液制御・泌尿器
  • 一般外科
  • 感染
  • 血液・腫瘍
  • 皮膚・アレルギー・膠原病
  • 内分泌・代謝
  • 骨・関節・脊椎
  • 頭頚部
  • 総合診療・地域医療

 

皮膚・アレルギー・膠原病

ひとつのブロックにされていますが、1週目が皮膚・アレルギー、2週目が膠原病で、試験も別でした。なぜ同じブロックに分類されているのかというと、おそらく膠原病には特徴的な皮膚症状の出るものが多いからだと思います。

皮膚・アレルギーでは登場する疾患が多かったですが、診断の上で「見る」ことが大事なので、画像好きの私としては勉強しやすかったです。皮膚科はそんなに興味がなかったのですが、勉強したら結構面白くて、興味がわいてきました。

膠原病は、症状が多彩な上に、違う疾患が似たような症状を呈したりして、整理するのが大変でした。加えて、自己免疫疾患にはまだはっきりとした原因がわからない部分もあり、なんともとらえどころのない感じもありました。逆に言えば、解明すべきことがまだまだあり、治療も日進月歩で、研究しがいがありそう。最近では生物学的製剤の登場で関節リウマチのQOLがかなり改善されたようです。

 

内分泌・代謝

講義の半分は糖尿病で、あとは副腎、甲状腺、骨代謝、その他、という感じでした。生化学に苦手意識があるので身構えていたのですが、代謝疾患はそんなに登場しなかったのでとても苦労したということはありませんでした。とはいえ覚えることは多かった。

糖尿病がとにかく大事ということはよくわかりました。前職のボスが「SGLT2阻害薬は”糖が多いなら尿に出しちゃえばよい”という発想がすごくて、実際かなり効果もある」と言ってたのを思い出しました。わりと最近の薬なのですが、コロンブスのたまご的発想で、成果を上げているようです。

 

骨・関節・脊椎 

医科歯科はスポーツ整形に結構強くて、現在、ハンマー投げで有名な室伏さんがスポーツサイエンスセンター長を努めていたりします。とくに医科歯科が保有している高気圧酸素治療装置は全国でも有名らしく、スライドにはたくさんのメダル級スポーツ選手が登場しました。日本代表チームに帯同したり、オリンピックに協力したり、なんだか華やかでした。私もBリーグ選手とお近づきになってみたい…という邪心が芽生えました(笑)

いわゆる整形外科的な話の他に、骨腫瘍や感染症の講義もありました。

 

頭頸部

医科歯科の頭頸部は、医学科と歯学科が合同で受講するのが特徴です。2年生でも「頭頸部(基礎)」の講義があるのですが、こちらも合同です。歯学部の先生による講義もあり、急にゴリゴリに歯の話があったりします。歯とは直接関係のない疾患ももちろんありますが、頭頸部の疾患やその治療が咬合や嚥下に影響すれば、健康への影響は大きく、一連の話として考えることには大きな意義を感じました。

それはそれとして、頭頸部=耳鼻咽喉科、頭頸部外科、頭頸部形成外科、口腔外科、眼科とボリューミーで、シケタイのパワーにかなり助けられました。グループワークでは歯学科の人々にも助けられました。同級生さまさま。

 

総合診療・地域医療

ブロックのテーマの1つ目は、総合診療医とはなんぞや、です。なかでも病院総合医の話が印象に残っています。救急外来の救急医、ICUの集中治療医、に対して入院病棟の病院総合医。ドクターGのように、診断をつけて各診療科に振り分けるのがお仕事かと思いきや、外来からICUまで連続的に、しかも疾患によらずに入院管理ができる必要があるということでした。病院総合医にはさらに、病院の運営管理や教育などへの貢献も求められるとのこと。すこし総合診療医のイメージが変わりました。

ちょうど、小児科スタートで専門を絞っていくのと、専門科スタートでその中の小児をやるのとで、どれくらい未来が違うのだろうと考えていたとところだったので、メインの専門がGeneral系である総合診療の先生方のお話が聞けて興味深かったです。某先生曰く「『それは自分の専門じゃないからわからない』と言いたくなかったから総合診療を選んだ」とのこと。

このブロックのもうひとつのテーマは「老年医学」です。講義では、少子高齢化の日本における重要政策である「地域包括ケアシステム」絡みの話が多かったです。総合診療医の需要は今後ますます増えそうですね…。日本で医療に関わる以上「地域包括ケアシステム」は知っておくべき話題だと思います。

このブロックは本来、器具を使って高齢者体験をする実習、特別養護老人ホームを訪問する実習、介護での口腔ケアを体験する実習がある予定だったのですが、コロナですべてオンライン化されてしまいました。当然「実習」感は半減し、残念。

 

症例:PBL・TBL・AL・ミニケース

PBL は Problem Based Learning、TBL は Team Based Learning、AL は Active Learningの略です。3年生のブロック講義ではより臨床に近い内容を学ぶので、時々、症例について考えるコマがありました。症例の場合はいわゆる「講義」ではなく、より双方向的な形式で授業が進みます。それが、ALやらPBLやら、TBLやらです。

時間割にミニケース、ALなどと書いてある場合は、予め指定された学生、または個人で症例について調べたり考えたりすることが多かったです。場合によっては先生が症例の情報をスライドで提示し、「初めに何を聴く?」「この画像で気になるところを指摘して」「次に何を検査したい?」などランダムに学生を当てて問うこともありました。

PBLの場合は、通常予め学生がグループに振り分けられていて、グループごとに症例について話し合い、鑑別を上げたり、情報を整理したり、時には話し合った内容を発表したりしました。メンバーの半分が欠席で不在だったり、あるいは逆に強いメンツが集まって素晴らしすぎるスライドが完成したりと、全ては割り当てられたグループ次第でした。1学年100人いるので、話したことのない人と同じグループになることもしょっちゅうあり、さらにオンラインということもあって、コミュ力が試されました。

TBLは、チームプレーで行う試験です。問題として症例が提示され、グループメンバーで話し合い、択一の選択肢から1つ選んで回答していきます。PBLと違って成績に反映されるので、参加度は全体的に高めです。よく勉強してる人のおかげで救われたり、自分が主張したせいで間違えて落ち込んだり、なんだかんだワイワイやってるうちに結束感が出てちょっと仲良くなれるので、TBLは好きでした。

 

つぶやき

なんだか3年生、あっという間でした。

記事を書きながら各ブロックのスライドやメモを見返していましたが、結構忘れてしまっているな…。シケタイの力もあるので試験をパスするのはさほど苦労しないのですが、きちんと身につけるにはもう一度復習しないとまずそうです。

専門科目以外に、3年生でも教養科目が存在していて、これらがそれなりの存在感だったので、いつか教養科目についても書きたいです。