東京科学大学(旧・東京医科歯科大学)医学部編入とTOEFL受験

旧東京医科歯科大学医学部編入とTOEFL受験の情報を発信します。

病院見学のツボ(初期研修先選び)

初期研修2年目がスタートしました。

たすきがけ研修の2年目、大学病院デビューです。

はじめのローテーションは精神科です。もともと脳科学、心理学、精神医学、哲学といった分野は好きなので、想像以上に興味深く研修させていただいていおります。

 

例によって、ローテ中診療科のことはいろいろと特定のおそれがあり書きにくいので、別のことを書きます。

タイトルの通り、病院見学についてです。

 

病院見学についての記事など山のようにあり、書籍も出版されているような状況なので、あまり一般的なことではなく、個人的に反省していること等を中心に書きたいと思います。

 

病院見学とは

病院見学とは、その病院の所属でない医学生または医師が、病院を見学に行くことです。主に初期研修先や専門研修先の病院を検討するプロセスで見学イベントが発生します。

たいていはwebサイト上に申し込みのフォーマットがあるか、あるいは連絡先が記載してあり、先方にコンタクトをとって見学日が決定します。見学日は学生なら授業や実習を欠席、研修医なら有給休暇を取得することになります。

見学の内容は施設によって様々です。

見学は半分採用試験でもある

見学の目的は、ただ設備を見たり雰囲気を感じたりすることだけではありません。

初期研修のマッチングでは、見学に来ていない学生が合格しにくい場合があります。見学回数が多いほどいいとか、スタッフや研修医が点数をつけているとか、施設によっていろいろなウワサもあります。

(見学なしでもOKで採用試験がすべて、という場合もあるとは思いますが、少数派かと思います)

専門研修では、見学に行き、担当の先生と面談したり他の専攻医と話しておくことが採用の最低条件になる場合がほとんどです。場合によってはそれが実質的な採用面接であるような重みをもつこともあります。

見に行ったつもりが、自分も見られているということです。

 

今だから思う病院見学のツボ

病院見学は見学以上の重みをもつ重要なイベントでであるわけです。

私も書籍を買って予習して臨みました。

しかし、初期研修を1年と少し行い、市中病院と大学病院の両方を知って、今だからこそ気づいたことがあります。

 

病棟実習が始まってから行く

私が最初に病院見学に行ったのは、実習がはじまる少し前の、4年生の終わりころでした。

早めに行っても全然かまわないのですが、やはり見るべきポイントや聞きたいポイントは現場を知ってからの方が具体的になるので、見学に行くのは実習が始まって少ししてからの方がおすすめです。

 

各診療科がどこの医局か聞く

これは市中病院の場合です。

100%オリジナル採用、という病院もあるのかもしれませんが、初期研修を引き受けているような規模の病院にはたいていどこかの医局が入り込んでいます。つまり、大学から派遣された医師が働いているということです。

そこにいる専攻医も大学医局の所属です。

例えば、私が1年目に研修した市中病院では

  • 循環器内科/血液内科/内分泌代謝内科/眼科:科学大医局
  • 消化器内科/呼吸器内科/神経内科/泌尿器科:日大医局
  • 外科:科学大医局
  • 小児科:順天堂大医局
  • 産婦人科:東大医局
  • 救急科:日大医局

といった具合でした(一つの診療科に医局と直雇用が混ざっている場合もあります)。

そこで1年研修するとどうなるか?

上の先生方や専攻医と仲良くなるわけです。そして、3年目以降その医局への入局(=その大学への就職)を考え出したり、実際に誘われたりします。人脈ができます。

少なくとも自分が検討している診療科については、どこの医局か把握しておくと将来の見通しが良く、専門研修の相談もしやすくなるように思います。

 

検討している診療科が1年目に回れるか確認する

これはめちゃくちゃ大事で、声を大にして言いたいです。

専門研修先を検討するために、志望科は1年目の、できれば12月くらいまでに回れるのが理想です。専門研修先の病院を決める戦いは、1年目の年明けにはすでに始まっているからです。

専門研修の手続きとしての申し込みや採用試験は正式には秋ごろにあります。

しかし、先に「内定」が出ている場合が多く、シーリング(人数制限)のある診療科や人気病院、人気の医局に行きたい場合、2年目の4月にはもう実質募集を締め切っている、なんてこともざらにあります。

学生として回るのと、研修医として仕事をするのとでは、見える世界がだいぶ違います。働いてみると意外と興味を持てたり、どうしても譲れないポイントが自分で分かったりしてきます。

ローテーション時期が遅いと、その実感を得るより先に就活をしなければならなくなります。

とくにメジャー内科/外科以外の診療科では1年目に回れない場合もあるので、よくよく確認することをお勧めします。

 

市中病院と大学病院を両方見る

実習で大学病院の様子は概ね感じられると思いますが、「初期研修も大学で決めている!」という人も、1度は市中病院を見学にいくことをお勧めします。

全然違うので。

とくに、

  • 患者数
  • 回診の内容
  • カンファのノリ
  • 各科医師の当直時の役割
  • 他科の医師やコメディカルとの距離感

など比べると違いが実感しやすいのではないでしょうか。

専門研修で大学病院と地域の病院の両方を回ることになっているのは意味があるなと思います。個人的には初期研修も「たすきがけ」はおすすめです。

 

自分の大反省

なんでこの記事を書こうと思ったかというと、自分が今困っているからです。

私は小児科志望(小児外科とも迷っていた)ですが、1年目の病院では小児科を回れませんでした。

大学のローテーションでは小児科、小児外科が3つめと4つめになってしまい、研修するより先に就活をせねばならない状況に陥ってしまいました。

もちろんそれでも専門研修先探し自体はできます。でも、見学前にその診療科をローテしているのとしていないのとでは、きっと見えるものが違うんですよね…。

 

このブログでは反省を元に書いた記事がたくさんありますが、今回も準備不足で大反省です。みなさんはこのようなことがなきよう…。

初期研修:外科のとある1日

初期研修最初の1週間のことを書いて以来の記事が、年度末になってしまいました。

それほど忙殺されているわけではないはずなのに、毎日時間がないのは、朝の集合時間が大学時代より早まったせいだと思います。

 

先日、久しぶりにブログにコメントをいただいて、今も見てくれている方々がいることを改めて認識したので、記事を書こうと思い立ちました。

とはいえ、推敲した記事を書く時間はないので、日記的に現在ローテート中の外科の日々を記録しておこうと思います。

 

当院の外科は4チームあり、研修医はそのうちの1チームに所属して3カ月研修します。自分のチームの手術に参加するのが原則ですが、チームの手術がなければ他のチームの手術や手技に参加させてもらうこともあります。

 

ある普通の1日

5:50 起床

7:00 出発(保育園経由)

8:00 病院到着、着替え、カルテ診

8:15 全体カンファ:当直報告、手術報告、症例相談、当番確認など

8:45 朝回診 →カルテ記載(15名前後)

9:30 予定手術のため手術室へ

  • 直腸癌、結腸癌のロボット支援下手術などが多い

12:00 交代でお昼休憩

14:30 手術終了

15:00 病棟業務

  • 指示入力、処方、同意書記載などのうち研修医にできることをやる
  • 手技も頼まれればなんでもやる

17:00 チームで夕回診

17:30 解散

 

ある忙しい1日

5:30 起床

6:45 出発

  • 朝早い日なので子どもの保育園への登園は夫が担当

8:00 術前カンファ

  • 先1週間の手術予定について術前に発表し診療科内で共有
  • 2症例担当して発表

8:30 救急外来へ

  • チームの先生が当直 →朝方診察した患者さんが緊急手術の方針に
  • カンファを途中で抜けて救急外来へお手伝いへ

9:30 手術室へ

  • もうひとり、当直帯に緊急手術が決まった方がいて、そちらの手術に参加
  • 別室で朝方の緊急手術も別の先生たちが進行

12:30 終了、昼休憩

  • もう1件の緊急手術をのぞきに行くと終盤だった

13:30 予定手術開始

16:00 終了

16:10 PICC挿入

  • 他科から前日に頼まれていた案件
  • 自分でもろもろ準備してから上の先生に介助を依頼

17:00 夕回診

17:30 解散

 

リアルな昨日の1日

5:50 起床

7:00 出発(保育園経由)

8:00 病院到着、着替え、カルテ診

8:15 全体カンファ

8:45 朝回診 →カルテ記載

9:30 CVポート造設術(執刀)

11:00 終了、手術記録記載 →昼休憩

12:00 病棟業務

  • 入院患者さんの血圧高値が続いているので、アムロジピン処方 
  • 看護師さんから相談「○○さん尿量測定もういらなくないですか…?」→指示変更
  • 術後のテープかぶれの患者さんに軟膏処方

13:30 別のチームの腹腔鏡下胆嚢摘出術のカメラ持ち

15:30 終了 →病棟業務

16:30 抄読会の準備を少し

17:00 夕回診

17:30 解散

 

執刀

研修医でも執刀させてもらえることがあります。執刀医としてサインアウトもするし、手術記録も書きます。実際の手術は上の先生が手取り足取り教えてくれます。

当院では乳腺外科症例(部切、全摘、センチネルリンパ節生検)で複数回執刀機会をもらえます。

良い症例があれば腹腔鏡下虫垂切除術も執刀させてもらえます。

全員必ず執刀するのはCVポート造設術です。局所麻酔ですが、内頸静脈穿刺や皮下ポケット作成などの手技が必要です。手技の参考にさせていただいたYoutubeを貼っておきます。

www.youtube.com

 

つぶやき

本当は書きたいことが山ほどありますが、毎日睡眠時間を確保するので精一杯で、なかなかブログに手が付けられておりません…。

保育園には無理を言って7:15から預けさせてもらっています。夫も保育園の送り迎えを分担してくれているので、なんとか日々が回っています。来年度は大学で多少は時間の余裕ができることをひそかに期待していますが…。

 

コメントは通知が来るので即チェックしています!

ご質問にはなるべく数日中に回答するので、どの記事にでもお気軽にコメントください。

研修医生活最初の1週間

研修医生活が始まりました。

最初の1週間について、雑多ですが日記的に記録しておこうと思います。

 

1日目

初日からダイヤが乱れに乱れていて、遅刻の危機でしたがなんとか間に合いました。

たくさんの資料をいただき、初日は丸1日ガイダンスです。初期研修医の他に、採用された後期研修以上の先生方も一緒に研修を受けました。

事務系部署からの説明が大半でしたが実技も少しあり、模型に対して末梢静脈ルートをとってテープで固定したり、インスリン注射を打ったりする練習をしました。

 

お昼は初期研修医同士で自己紹介しつつ食堂で食べてみました。

貸与服や医局のデスクも案内されて、出退勤打刻の練習もして、この日は終了。

 

夜は2年目研修医のみなさんが歓迎会を開催してくれました!

 

2日目

引き続きガイダンスです。病理部に行ったり、ちょっとしたビジネスマナーのお話があったりしました。

デモデータでカルテも触ってみました。カルテのシステムは病院ごとに違います。慣れないメーカーのものだと仕様が全然違って、ひとつひとつのアクションに時間がかかってしまいます。

今の病院は科学大と違うシステムなので慣れるまで四苦八苦しそうです。

 

2日目にやっと研修のローテーションの紙が渡されました。私は血液内科スタートとなりました。

 

3日目

午前中は引き続きお話を聞いたり、輸液セットを組む練習をしたり、オリエンテーションでした。

 

午後から、いよいよローテーション先の診療科へ。

初日なのでご挨拶して、様々な資料のありかを伺って、PICC挿入という、やや侵襲的な処置を見学(+ささやかなお手伝い)して、回診して終わり。

「先生この患者さん一緒に担当してもらいます」と、数人の患者さんが割り当てられました。と言っても、まだ何もできないことは上の先生方も承知しているので、当面は

  • 何が起こっているかを把握する
  • 回診し、カルテを書く
  • 関連するガイドライン等で勉強する
  • 処置等を見学しできることを手伝う
  • ご指導のもと検査やオーダーを実施する

が私の仕事です。

ほぼ何もしていないのですが、わからないことだらけで頭はパンクしそうでした。

 

4日目

まだ「担当」と言われた患者さんの情報が頭に入りきっていないのですが、それでも朝は患者さんのところへ行き、カルテを書き、カンファに参加しました。

指導医はとても教育的な先生で、「できることはやらせてあげる」というスタンスで大変ありがたいです。

また、担当患者さんに関する基本的な診断・治療については勉強しておくように、ということで、ガイドラインや教科書のありかを教わりました。

 

病棟にやってきて2日目、「担当」といわれた患者さんのこともまだカルテ情報を頭に入れつつある、というくらいの段階だったのですが…

ひとりの患者さんが急変してしまい、蘇生処置を行う事態となってしまいました。

そうそうあることではないので、病棟中バタバタしていました。私は担当のひとりである以上何かしなきゃと思うものの、できることなどほとんどなく、集まったスタッフに患者さんのお名前を伝えることしかできませんでした。

 

5日目

土日はさんで月曜日が病棟3日目でした。

 

この日は突然、外来に来た初診患者さんの問診と身体診察を任せていただいて、ひとりで患者さんと向き合うことになり緊張しました…。

夕方は、救急外来に来た患者さんの対応を上の先生方と一緒に行いました。その際に、鼠径からの動脈採血を「先生やってみようか」ということで、多大なるサポートのもと実施させていただきました…これも緊張しました。

コロナの咽頭ぬぐい液検査(鼻につっこむアレです)も、実施させてもらいました。痛くて患者さんが「うっ」となるので、「すみません」な気持ちになりました。そのうち無の境地でできるようになるのでしょうか。

 

おわりに

2度目の社会人生活ですが、やはり全然違いますね。

ものすごくOn the Job Trainingです。

覚えなきゃいけないことが多くて頭が疲れましたが、ついに医師としてスタートできた喜びは大きいです!

 

それにしても、病棟2日目でかなり大変な場面に遭遇することになりました。公開しているブログなので詳細は書けませんが、本当にいろいろと大変でした。そして、貴重な経験にもなりました。この日のことはこの先もずっと覚えているんじゃないかなと思います。

卒業とこれから

学位記授与式

編入学試験合格が決まってからこのブログを始めましたが、ついに卒業となりました。

いつも読んでくださっているみなさん、偶然ここにたどり着いて読んでくださったみなさん、ありがとうございます。

 

このブログを始めた理由について、あまり詳しく書いたことはない気がします。

  • 予備校等に通う余裕のなかった私は情報収集に苦労したので、同じように悩む人に情報提供したい
  • 子育て中に医科歯科合格した「つるえに」さんという方のブログに、受験期間中大変励まされたので、自分の経験も誰かの役に立ったら嬉しい
  • 外に何か発信することが苦手なので練習したい

というのが元々の始まりでした。

 

今では、編入の後輩さんたちに「あの、もしかしてはてなブログの…」と声をかけていただくこともあり、嬉しいような恥ずかしいような気持ちです。

相変わらず情報発信は苦手で、記事にしたものより下書きのまま眠っているものの方が多いような状況ですが…。

 

6年もたったので入試の情報などはだいぶ古くなってきました。後輩から最近の情報が得られたらアップデートして発信したいです。実は、一番最近の面接はこれまでのものと全然違ったと聞いて驚いているところです。

それから、国試の振り返りが十分できていないので、これは絶対やりたい。

あとは5年間の勉強についても振り返りたいです。

 

そして、研修生活についてもできればリアルタイムに発信したいです。

ブログのタイトルが「医学部編入TOEFL受験」なので元々の趣旨とはずれてきてしまいますが、自分だったら子持ちで編入した人がその後どうなってるか知りたいなと思うので、同じような方の参考になれば嬉しいです。

 

初期研修が始まります

ところで私の研修先ですが、なんやかんやあってわが東京科学大学のプログラムで研修することになりました!

科学大のプログラムは「たすきがけ」が特徴で、市中病院と大学病院でそれぞれ1年ずつ研修します。私が選んだプログラムは、1年目が市中病院なので、4月からは某市中病院で研修スタートとなります。

2年目は大学に戻りますし、その先も科学大にいる可能性がなきにしもあらずなので、これからも編入の後輩さんたちと会えるかも?と期待しています。

 

これから編入試験を受けようとしているみなさんも、すでに入学して医学生生活を頑張っているみなさんも、応援していますので、引き続きどうぞよろしくお願いします!

第119回医師国家試験合格発表

ついに発表されました!

結果は……

 

【合格】でした!よかった!!

 

合格基準等の詳細は厚労省のサイトから見られます。

第119回医師国家試験の合格発表について|厚生労働省

 

ここでも概要を転載しておきます。

 

合格率

  • 出願者数 10,544人
  • 受験者数 10,282人
  • 合格者数   9,486人

合格率は92.3%で、ここ10年で昨年度に続き2番目に高かったそうです。

ちなみに新卒者に限れば合格率は95.0%でした。

 

合格基準

第119回医師国家試験の合格基準は、

①必修問題は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
   総得点が、 160点以上/200点
②必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とし、
   総得点が、 221点以上/300点
③禁忌肢問題選択数は、3問以下
とする。

ということでした。

なんと、メディックメディアが今年もボーダーを当ててきました。

今年は禁忌肢3つまではセーフだったようです。

 

除外問題

E28

片麻痺のある患者さんの末梢静脈路確保の穿刺位置として適切な場所を選ぶ問題です。

設問が不明確として、複数の選択肢が正解となりました。

https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2025/siken01/dl/E028.pdf

 

1つ前の記事で検討した”各社で解答の一致していない問題”には該当しないものです。

ただし、TECOMはこの問題について「見解」を提示しており、そこには「悩みました」と書いてありました。

 

おわりに

本日は速報性を大事にしたいので、各社予想解答の一致していなかった問題の公式解答については別途検討したいと思います。

とにもかくにも、合格でほっとしました。

合格が確認できたら保健所へ医師免許の申請へ行くのですが、私は本日さっそく行ってきました。無事書類が受理され、これで初期研修に向けた準備はほぼ整いました。

4月が楽しみです!

国試の自己採点

医師国家試験は、受験から発表まで1か月以上間が空きます。

しかし、結果はできるだけ早く知りたいものです。

そんな時にお世話になるのが、いくつかあるいわゆる予備校のサイトです。

この記事では、自己採点と、私が利用したサイトについてご紹介します。

 

国試の合格基準

医師国家試験の合格基準について改めて記載しておきます。

  • 必修(B,Eブロック) …8割以上(絶対基準)
  • 禁忌肢 …指定数以下(絶対基準)
  • 各論・総論(A, C, D, Fブロック) …基準点以上(相対基準)

必修で8割を切ると問答無用で不合格となります。

禁忌肢の数は年によって違うのですが、指定の数より多く選択してしまうとこれも不合格となります。

そして、残る4つのブロックの合計点は相対評価で基準点が決定します。

というのも、医師になれる人数が概ね決まっているので、上から定員に達したところで合格ラインが切られるのです。その年の受験生の出来や、必修・禁忌落ちの人数によってラインが変わるので、簡単にはボーダーがわからないというわけです。

 

国試の自己採点

おそらく不適切問題の検討や、ボーダーラインの検討などがあるのでしょう、国試の合格発表は受験から1か月以上先になります。

この間結果がわからないのはなかなかツライですし、研修先が遠く引っ越し等がある人などは1日も早く知りたいでしょう。

 

そこでお世話になるのが各種予備校のサイトです。

医学生を対象に勉強のためのツールを提供している企業は少なくありません。

そういった企業の中には、医師国試の当日~翌日に「解答速報」を出し、かつ受験生が自分の回答を入力すると、予想解答との一致割合や順位などを提示してくれるものがあります。

 

国試の問題は持ち帰ることができます。問題に自分の回答をマークしておいて、これらのサイトに自分の回答を入力すれば、予想正答率を知ることができます。

提供されている予想解答はかなり正確なので、これである程度の正答率が確認できれば、結果はまず大丈夫だろうと安心することができるのです。

 

私が利用したサイト

今回私が利用したサイトと、国試翌日正午時点での回答入力者数と、現在(国試発表前日)の回答入力者数(※)は以下のとおりです。

  • メディックメディア講師速報:8689人 → 9642人
  • みんコレ!合否予測:6810人 → 8101人
  • MEC採点サービス:2293人 → 4259人
  • モントレ解答速報:非公開 → 4041人

受検者数は毎年1万数百人程度なので、かなり多くの受験生が利用していることがわかります。

各社いろいろと特徴がありましたので、私見を交えつつ少しご紹介します。

※一部だけ入力していたりする場合があるので、今回は登録者数または順位の分母のうち最も少ないものを「回答入力者数」として記載しています

メディックメディア講師速報

リンク:講師速報 | 119回医師国家試験 解答速報&採点サービス | メディックメディア MEDIC MEDIA

  • 入力者数 ★★★★★
  • 相対位置 ◎順位、偏差値、選択率
  • 問題解説 ×なし
  • 禁忌肢予想 ×なし
  • ボーダー予想 ◎あり

圧倒的入力者数を誇っていたのがメディックメディアのサイトです。

「Question Bank」「病気がみえる」「Q-Assist」「レビューブック」など、多くの医学生がお世話になるツールを提供しているだけあります。私も例にもれず大変お世話になったので、1番最初に回答入力しました。

サイトはシンプルで見やすく、入力もしやすかったです。各問題の予想正答率も見ることができ、自分の間違えた問題が難問だったのかなども確認することができます。各問題でどの選択肢がどれくらい選択されているか「選択率」も見ることができます。

得点分布を分析しボーダー予想をしていることが特徴で、昨年度はかなり正確だったようです。

 

みんコレ!合否予測

リンク:第119回医師国家試験 解答&合否予測サービス | みんコレ!

  • 入力者数 ★★★★☆
  • 相対位置 ×なし
  • 問題解説 ×なし
  • 禁忌肢予想 ◎詳しい
  • ボーダー予想 〇あり

「MedPeer」によって運営されているサイトです。

正直自己採点までは縁がなかったので、メディックメディアの次に回答者数が多いのは意外でした。その後、MedPeerのサイトで研修医向けのコンテンツを見たり、今はお世話になっています。

シンプルで見やすいサイトです。各問題の正答率や、自分の順位等は表示されません。

禁忌肢について細かく検討されているのが特徴で、コメントと共に「危険度」も表示してあり、全体の禁忌落ちリスクも評価してくれます。

もうひとつ、このサイトの最大の特徴は、あくまで比較対照が「みんなの回答」である点です。みんなが間違えた問題を一緒に間違えた場合、それは「一致」として(他社における「正解」のように)表示されます。MedPeer側で「予想解答」を作っているわけではないので、サイト運営としてはコスパが良さそうです。

一見それでいいのか?と思うかもしれないですが、合格かどうか判定するためにはこれは合理的なのです。国試において、みんなが同じように間違えた正答率の低い問題は合否を左右しにくく、場合によっては除外問題となることもあるためです。そもそも、国試の問題で正答率が50%を割るような問題は1割もありません。

とにかく「合格していそうかどうか」を確認するのに特化したサイトです。「合否を見る」ボタンを押す前に「心の準備はいいですか?」と聞かれ、「やっぱやめとく」こともできます(笑)

 

MEC採点サービス

リンク:MEC採点サービス|MEC Net.

  • 入力者数 ★★★☆☆
  • 相対位置 ◎順位、偏差値、選択率
  • 問題解説 △各問題に掲示板あり
  • 禁忌肢予想 ×なし
  • ボーダー予想 ×なし

模試(とたまに過去問)でお世話になったMECのサイトです。

こちらも順位、偏差値、各選択肢の選択率まで見ることができます。

何といっても特徴的なのは掲示板です。

第119回 国試速報掲示板 | MEC国試速報掲示板

各問題に対して自由にコメントできる掲示板があり、中には現役のドクターと思われる書き込みもあります。一覧では割れ問やコメント数の多い問題がアイコンで示されています。速報ではなかなか解説まで見られない中、気になる問題についての議論をみられるのは貴重。

 

モントレ解答速報

リンク:【テコム】モントレ解答速報

  • 入力者数 ★★★☆☆
  • 相対位置 ◎順位、偏差値
  • 問題解説 △一部問題について見解
  • 禁忌肢予想 ◎見解つき
  • ボーダー予想 〇あり

TECOMが運営しているサイトです。模試や過去問(問トレ)でもお世話になりました。

速報段階では殺風景なサイトで母数もわからなかったのですが、いつの間にか更新されて模試の成績確認と同じインターフェースになっていました。個人的にデザインが好きなサイトです。

特徴は、割れ問と思われる問題に対して「テコムの見解」を示している点です。これは速報段階からあり後から少し追加もされたようです。

予想禁忌肢についてもどのように検討したか丁寧に記載してくれています。

 

(番外編)medu4

「究極マップ」でご紹介したmedu4です。国試の過去問を問題番号(119A1など)でググると、一番上にヒットするのがmedu4のサイトで、登録なしに解説まで見られるため私はかなり利用していました。

にもかかわらず!登録していなかったために自己採点には使わず…。なので、どんな雰囲気なのか全くわかりません。利用者数は多いのではないかと予想しています…。

 

解答速報の信頼性

解答速報は、医師が監修しているのでかなり正確です。厚労省から模範解答が公開されていますが、毎年各社99-100%の一致率のようです。

今年はというと、どうも「割れ問」があるようです。各社の意見が分かれているものをメモしておこうと思います。

※ただし、みんコレ!で提示されるのは「多数回答」であり「予想正答」ではないので、ここではそれ以外の3社で不一致だったものを検討します。

解答の割れている問題一覧
  • B17 a 1社、e 2社 …削除問題になるかも?
  • C41 b 2社、c 1社 …複数正解か削除問題になるかも?
  • E2  b 1社、c 2社 …おそらくC
  • F75 16 1社、40 2社 …計算の公式があり40かも?

うしろのコメントはMECの掲示板を見てみた印象です。E2以外はコンセンサスにいたっていないようでした。厚労省から正答が発表されると、結局どうだったのか明らかになるので楽しみです。

 

解答速報は三方ヨシ!

ここでの三方は、受験生、企業、後輩医学生です。

 

まず受験生にとっては、受験直後に自分の合格可能性をかなり正確に知ることができるので、大変ありがたいです。

さらに、いくつかリンクをみていただいた方は気づいたかもしれませんが、回答するとAmazonギフトカードや書籍などの特典をもらえてしまいます。

 

企業にとってはそうまでしても多くの回答が欲しいのです。

それは、正答率や選択率の貴重なデータが得られるからです(合格発表後には合否のアンケートもとるはず)。

さらに、新たに誕生した医師を最速で自社のサイトメンバーに招き入れることができる重要な機会にもなっています。

惜しくも不合格となってしまった人に、1年間のサポートプランを案内することもできます。

 

そして後輩です。

国試の過去問演習をしていると、解答解説に正答率や各選択肢の選択率が表示されます。この元データとなっているのは、その年の受験生たる先輩が自己採点のために入力した回答なのです。

 

おわりに

解答速報のサイトを見ていたら、試験当日のことや自己採点したときのことを思い出しました。

公式の合格発表は明日です。

これだけいろいろ書いていて万が一不合格だとかなり辛いのですが、解答速報のサイトによれば大丈夫そうなので、信じて発表を待とうと思います。

第119回医師国家試験の思い出2

前記事からの続きです。

持参した勉強道具や、試験中に考えていたこと、周りの様子などの思い出です。

 

試験前日

試験前日はどうしてもソワソワしてしまうものですよね。私も落ち着かない気持ちで過ごしましたが、できるだけ冷静に過ごせるよう、準備を整えることに集中しました。

試験前日にやったこと
  • 過去問・模試で間違えた問題の復習
  • 当日確認したい教材等の準備
  • 持ち物の最終確認
  • 早寝

試験前日に勉強してもなかなか頭に入らないものです。私は、復習に重点を置き、当日確認したい暗記事項などを整理しておきました。

また、国試は9割の人が受かる試験なので、無事に受験して帰ってくることが何より大切です。会場までの地図をプリントアウトし、電車遅延時の代替ルートを確認し受験番号をメモして、トラブルに備えました。

そして、早く寝る!私は、子供と一緒に9時に寝ました。

 

持参したもの

余計な不安を感じないためにも、持ち物をしっかり準備することは大切です。

絶対に必要なもの

  • 受験票
  • 筆記用具(HBの鉛筆、消しゴム、定規、鉛筆削り)
  • 時計(スマートウォッチ等はNG)
  • 携帯電話(試験中は電源OFF)

指定されている持ち物の中に「定規」があったのですが、模試でも過去問でも使ったことがなく、当日も結局使いませんでした。どのように活用するのかわからずじまいなのですが、心電図から脈が整か不整か判断する時などに使ったり、腫瘍の大きさを測ったりする…のかもしれません。

この定規、折りたためるタイプのものを持ってきていた人がいたのですが、「認められていない」として使用不可だったようなので注意が必要です。

携帯電話は、電源を切り配布された封筒に入れた上で、試験中は机上に置いておく、という指示でした。

昼食

少しでも予定外のことが起こらないようにするために、昼食は事前に購入しておきました。

そもそも寝不足の日々で、血糖値が上がるとさらに眠くなってしまいそうだったので、昼食には

をチョイスし、飲み物としては水を持っていきました。

意外とお腹が空くこともなく、眠くもならず、良い選択だったのかなと思います。

2日間カロリーメイトはちょっと味気ないですが、(1回目の)大学受験の時にも結構お世話になっていたので、なんだか懐かしかったです。

勉強道具

当日確認するための資料として準備していったものは以下です。

  • レビューブック メジャー(紙)
  • レビューブック マイナー(紙)
  • 自分でまとめたメモ=OneNote
  • 直前Assist(動画教材)のPDF
  • 暗記用単語帳=Quizlet
  • 過去問問題集=QB+Medu4
  • Chat GPT

それぞれの詳細は勉強法の反省と合わせて別記事で書こうと思うので、ここでは役に立った!と思ったものについて書いておきます。

自分でまとめたメモ

私はMicrosoftのメモアプリ「One Note」にメモをまとめていました。

いわゆる「まとめノート」と言えるような網羅した内容のものではありませんが、勉強の「おとも」として使用し、一番オリジナルの情報がつまっているものがこれでした。

PCで作成したものを携帯版のアプリと同期することができるので、便利です。これを前日、当日に見直していました。

当日直接とても役に立ったか?と言われると微妙ですが、自分の苦手なところや確認しておきたいところがさっと見られて安心感がありました。

QB+medu4(過去問問題集)

過去問演習のツールはいくつかあるのですが、私はメインで使っていたMedicMediaのQBを当日も使いました。過去に解いて「△」や「×」だったものと未演習のもの(合わせて10000問程度…)を、当日の朝電車の中や試験の休憩中に、ランダムに解いてみていました。

そして、

  1. QBでランダムに解く
  2. あまり自信のないテーマに出会う
  3. medu4のサイトでキーワード検索し、関連する過去問を何問か解く

ということをしていました。

なんと、これで救われた1問がありました!

朝のランダム過去問演習で、ある疾患が登場しました。勉強不足だと感じたので、疾患名で検索し、関連する過去問を5-6問確認しました。すると、当日ほぼ過去問の組合せでこの疾患について問う問題が出題されたのです。久しぶりの出題であり正答率はあまり高くなかったようで、私も朝出会わなかったら間違えてしまっていたと思います。運が良かったです。

ここまでの大当たりはさすがに他にはなかったですが、苦手分野の復習として効率は良かったように思います。

他の受験生の様子

medu4の「究極マップ」という講座が有名で、この講座の資料を印刷して持ち込んでいる人が多かったです。講義時間もコンパクト、資料も各診療科が1枚にまとまっていて、とても良さそうでした。

私は今回時間的余裕がなくて購入しませんでしたが、もっと早く検討していたら購入していたかもしれないです。

 

試験中

当日は会場の雰囲気にのまれず、自分のペースを守ることが重要です。

  • 前日に念入りに準備をした
  • 最寄駅から友人と一緒に会場に向かった
  • 友人が近くに座っていた

これらのことは安心材料となりました。

直前期に解いた模試の結果が、昨年度の合格ボーダーギリギリの正答率だったので、試験開始前は不安に思っていました。しかし、本番の問題は模試に比べると説きやすく、Aブロックを解き終えるころには少し精神的に余裕が出てきました。

続く必修のBブロックは全体的に自信をもって回答できた問題が多く、このころにはもう緊張もだいぶなくなっていました。

国試せん妄

「せん妄」とは、集中治療管理下や入院中などに、(精神疾患がなくても)意識混濁や混乱、幻覚などが見られる症状を指します。

国試の緊張やプレッシャーの中、普通は陥らない思い込みや勘違いをしてしまうことを受験生は俗に「国試せん妄」と呼んでいます。

さほど緊張していないと思っていたのに、私もAブロックで国試せん妄に陥ってしまいました!選択肢の細菌の学名をひとつ勘違いしてしまって、「正答がない!」と焦りました。

途中退室

国試は、基本的に問題数に対して時間が長めに設定されています。特に、必修のBブロック、Eブロックは時間が余りがちです。

私は3人掛けの真ん中だったので移動しにくかったのですが、「何回見直しても回答が変わらない」という時点で退室しました。荷物も持って出られるので、退室後は続くブロックに備えて勉強することができました。

意外なことに、途中退室する人はそこまで多くなく、全体の2割程度だった印象です。

先輩が「ヒマすぎて退室してスタバにいた」と言っていたのですが、私はそこまでの時間的余裕はなかったです。

答え合わせ

当日どれくらい答え合わせをするかは意見の分かれるところです。

私は

  • どうしても気になる数問をググる
  • 昼食時に友人と数問話題にする

程度にとどめました。

1ブロック終わるごとに友人と回答を照らし合わせている人や、1日目から予備校のサイトで予想解答をチェックしている人もいました。

国試では同じ疾患が異なるブロックで複数回登場することもあり得るので、知識があやふやだな、と思ったところの復習をするのは意味があると思います。

ただ、全てのブロックが終了する前に自己採点をしてしまうのは、精神的にプラスになりにくいのではと思います。時間ももったいないですしね!

会場では答え合わせする派の人の悲喜交交の声がどうしても聞こえてくるので、イヤホンを持って行くのがオススメです。

 

試験後

とても長い試験なので、無事に終わった安堵と開放感にあふれていました。

私は最後のブロックFの手ごたえが他のブロックに比べてあまり良くなかったので少ししょんぼりしていましたが…。それでも合格ラインは超えたかなと思えたので、友人と談笑しながら帰りました。

打ち上げだー!とそのまま居酒屋に直行しているグループもいました。

 

帰宅後はすぐに寝ようと思ったのですが、どうしても気になって1社だけ、回答入力して自己採点してしまいました…。

これで合格ラインを超えていそうなことが確認できたので、やっと安心して眠りにつくことができました。

 

まとめ

直前になるとソワソワして、何を勉強したら良いかわからなくなってきます。私は、とにかく当日の持ち物等の準備を完璧にして、睡眠を十分とることを重視しました。国試は過去問がある程度有用なので、迷ったらとりあえず過去問、というのもオススメです。

国試本番は長丁場で、緊張もするし周りの声も気になりますが、9割の人が受かる試験だということを思い出して落ち着いて臨めば乗り切れます!

これから受験する皆さんも応援しています◎