久しぶりの更新となってしまいました。頻繁に書くぞ!と意気込んだばかりで情けないです…。
本日は、教科書の話です。
みなさんご存知かと思いますが、医学書は高価です。数千円から、本格的なものになると数万円します。さらに、日進月歩の医学界、毎年のように改訂版が出版されます。シラバスには教科書や参考図書が記載されていますが、言われるがまま全てそろえようとしたら破産です。
そこで、リクエストもいただいた「医学生の教科書事情」という記事を書こうと思ったのですが、よく考えたら他の人がどれくらい教科書を持っていて、どれくらい活用しているのかよくわかりません。
というわけで、タイトル詐欺になってしまいそうですが、本記事では主に、医学生(私)の教科書事情、個人的なオススメ書籍、専門書をなんとかお手頃価格でゲットする作戦、などについて書きたいと思います。
私の本棚の医学系書籍たち
シラバスに記載のあったものかどうかもはや記憶があやふやですが、私の本棚には教科書的なものとして、以下のものがありました。
- グレイ解剖学
- グレイ解剖学アトラス
- ラングマン人体発生学
- リッピンコットシリーズ イラストレイテッド生化学
- 病態生理に基づく臨床薬理学
- 標準小児科学
- 神経解剖学講義ノート
- 臨床統計はじめの一歩
参考書的なものは以下のものを持っています。
- 病気がみえるvol.1~11
- レビューブック内科外科、マイナー
- イヤーノート
- 研修医当直御法度
そして問題集としてはこれです。
おまけで
- まとめてみた マッチング対策
- ネジ子のひみつ手技(借りて読んだだけ)
これが少ないのか多いのかわかりません…!
教科書について
ちゃんと使っているもの第1位:解剖学の教科書
買ってよかったし、ちゃんと活用しているもの第1位は解剖学の教科書です。
編入生は入学して最初の講義が発生学、そして解剖学と続き、解剖実習もあります。講義のスライドが充実しているので、教科書の出番は少ないですが、実習の際に該当するページのコピーを持参するとスムーズです(そして同じ班の人たちに感謝もされる)。
その後の学年でも、ふと気になるときに解剖にもどって確認することは良くありました。とくに外科系の内容を正しく理解するには解剖の知識は必須です。
病棟実習に出てからは、手術見学をする際によく解剖を確認しています。ググってもそれなりの図は出てくるのですが、やはり教科書は信頼できます。私が買ったものはオンライン版が付いているので、それも活用しています。
解剖の教科書の良いところは、改訂が少ないことです!医科歯科は、解剖学の先生が監修しているグレイが指定教科書ですが、別に他のものを使っても良いと思います。図版のみの「アトラス」と図は多少減り解説がついている「解剖学」の2冊が必要かはやや疑問ですが、どちらか選べと言われると難しいので、おとなしく2冊買っとくのが無難かもしれません。
そこそこ使ったもの:神経解剖学講義ノート
医科歯科の神経解剖は、めずらしくスライドではなく紙ベースの資料で講義が進みます。担当の先生が変わらない限りこのスタイルだと思います。詳しくて丁寧ではあるのですが、神経解剖は複雑でとっつきにくく、講義中は資料にいろいろ書き込むので忙しくて、なかなか頭に定着しません。
シンプルにわかりやすく解説してくれているものを求めてたどり着いたのが「神経解剖学講義ノート」です。神経系の話が出てくるときはときどき参考にしています。
これから使うかもしれないもの:標準小児科学
多少迷いつつも小児科志望なのと、小児科のシケタイだったので買ってみました。正直あまり開いていません…。通読するには分厚いのに、講義で習ったことが書いてなかったりして、どういうノリで使えばいいかまだよくわからず。ただ、内容は学生レベルでもわかりやすいので、今後使うかもしれません。
買ったけど使わなかったもの
- 発生学:講義資料で十分だった。
- 生化学:苦手意識があって買った。わかりやすいけど、ボリュームがあって通読できない。もっと私のレベルに適したものがあった気がする。
- 薬理学:苦手意識があって買った。開いていない…。
- 臨床統計:簡単すぎたし、講義のまんまだった。
まあ、ほとんど中古本なので、いいんですけどね…。
参考書について
「病気がみえる」シリーズはオススメ!
メディックメディア社のまわしものではありませんが、病気がみえるシリーズは学生にオススメです。イラストが多くてわかりやすく、やる気がでます。
一部の先生が指摘するとおり、稀に間違いや、足りない部分もありますが、それは自分で訂正したり書き込むことでむしろ覚えるのでよし、と思っています。
と言っても、私は講義の復習でいっぱいいっぱいだったので、これまでは本棚にあったもののあまり開いたことはありませんでした。4年生最後のCBTの勉強と、病棟実習の最中に使い始めたのですが、わかりやすくて、買っといてよかった~と思っています。
講義で当てられそうなときも手元にあると安心ですし、図解が多いので課題でスライドを作成する時にも活躍してくれます。
後述しますが、同じメディックメディア社の各種書籍と相互にリンクされているので、全部オンラインで持っている人はさらに使い勝手がよさそうです(私は貧乏学生なので紙版のみを中古で入手…)。
「病気がみえる」のトリビア
- 「病みえ」と略すのが王道だが「ガミエル」という流派もあるらしい
- 毛嫌いする先生もいるが、たまに堂々とシラバスで教科書として指定されていることもある
- 先生が講義スライドに利用していることもある
その他は使い方次第?
レビューブックもイヤーノートも、同じメディックメディア社の書籍です。
レビューブックはイラストはほぼなく、簡潔に箇条書きで、CBTや国試に登場した事項がぎゅっとつまったコンパクトな書籍です。持ち歩きに便利なので、病棟に持って行ったりすることもあります。
対してイヤーノートは分厚い辞書的な書籍で、オンライン版のみ持っている人も多いです。最近のトピックや、発展的な内容なども書いてあり、勉強になります。
しかし!私はまだイマイチどちらも使いこなせていない感があります。これから国試の勉強をする中で、自分なりのノウハウを見出したいです。
研修医当直御法度は、m3.comで一部内容が公開されており、実践的で面白いので購入しました。入手したのは中古で古い版なのですが、やはり面白く、研修医になるとき最新版を買いたいな~と思っています。
私は使っていないけれど人気があるもの
CBT前には、メディックメディア社の「Q-Assist」という動画教材を利用している同級生も結構いました。曰く「講義をちゃんと聴いている人には必要ない」そうですが、気になります。まとめ資料が結構良さそうで…何度か揺れましたが、私はここまで購入せずに来てしまいました。
病棟実習で、ローテーション前にサクッとその科の動画を見られると予習としてよさそうだな~と思いますが、「量が多くてとても観きれない」とも。
問題集
CBTの問題集や国試の過去問集はいろいろありますが、医科歯科ではメディックメディア社のQB(クエスチョンバンク)が圧倒的マジョリティです。
「病みえ」や「イヤーノート」などのオンライン版を持っていれば、オンライン版QBの解説から関連事項に飛ぶことができて便利なようです。
私は教科書・参考書は紙派で、QBもはじめ紙で購入しました。しかし、圧倒的にオンラインが使いやすかったので、最終的にQBはオンライン版のみ利用しています。
QBも紙派、と言う人はいましたが、他の問題集を利用している人は今のところ私の周りにはいないです。
その他
- まとめてみた マッチング対策:先輩のオススメで、病院見学前に購入。ささーっと読みやすくてわりと良かった。
- ネジ子のひみつ手技(借りて読んだだけ):研修医の先生から借りて半分くらい読んだ。点滴の組み方、採血のコツなど、学生では教わらないけれど知りたい手技のあれこれがイラストで描かれていて良かった。
安く書籍をゲットする
私は、新品で購入した本が6冊、それ以外は全部中古です。某フリマアプリでの購入がほとんどです。病みえなんかはだいたい2-3月くらいにセットで出品されがちなので、これからの時期ねらい目です!部活のつながりがある人は、先輩からもらえたりするかもしれません。
ただし、中古品は版が古く、情報が古い場合があります。また、オンライン版を利用するためのシリアルコードは使えないものが多い点にも注意が必要です。
(…といいつつ、稀に最新版・シリアルコード付きが割安で出品されていることもあり、運がよければゲットできます。)
新品で買う場合、大学の生協で購入すれば5%OFFになります。学年で共同購入(出版社の指定する人数以上同時購入なら成立)できれば、さらに割引されることもありお得です。
買うかどうか迷う場合は、シラバス指定図書なら大学の図書館に揃っているので、中身を見てから考えることができます。ちなみに「病みえ」シリーズや「標準○○」シリーズもそろっています。
おわりに
1回目の大学生活はあまり何も考えずにてきとーに教科書を買っていましたが、今は節約生活しながらなので、必死です。
結局まわりの様子があまりわからず個人的な話ばかりならべてしまいましたが、参考になれば嬉しいです。
これから国試に向けて勉強する中で、新たに何か見出したらまた書きます!