東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

東京医科歯科大学医学部編入とTOEFL受験の情報を発信します。

医学生と妊娠出産 その3

在学中の妊娠・出産について、最後は、医療従事者ならでは、学生ならではの経験について書きます(ほぼ雑談です)

 

医療従事者だと…

「医療従事者用」の説明をされることがある

健診や入院説明等の際に、説明が省略されたり、逆に「医療従事者の方なので説明しますが…」と詳しくなったり、薬剤の一般名など専門用語で説明されたりすることがありました。

まだ学生だけど医療従事者として扱われてる!という感じがして、ミーハー心をくすぐられました(笑)

自分が医師になった時、患者さんやご家族が医療従事者だとちょっと緊張しそうです。

 

マタニティウエアの入手が面倒

病棟では白衣の下にスクラブと呼ばれる動きやすい服を着ている医師が多いです。実習の学生もほぼスクラブを着ています。診療科によっては指定のおそろいスクラブで揃えているところもあり、その指定スクラブが学生にも貸し出される場合があります。

スクラブにもマタニティ商品は存在しているのですが、これが安くなくて…。私はパンツ1点だけ中古で購入し、洗い替えにはふつうの(スクラブではない)マタニティ用パンツを履いていました。

診療科指定のスクラブの時はマタニティ用など存在しなかったので、パンツだけ自前になり、ひとりだけ上下違う色で過ごすことになりました。

外科でオペ室に入るときは見学者も全員手術着に着替えるのですが、そこに用意されている「妊婦さん用」は白のワンピース一択でした…。結局、生足にワンピーススタイルが正解なのか確信がもてず、手術室に見学に行くオプションはあきらめてしまったことがありました。

 

業務に制限がある

制限1:放射線

妊娠初期に回った循環器内科では、心カテなどの手技見学の際に術野に入ることができず、部屋の外からの見学になりました。他の診療科でもX線で透視しながらの手技の際、妊娠中、とくに妊娠初期は参加できません。

循環器内科なんて心カテやってなんぼなところもあるので、妊娠中はもどかしい思いをしそうだなと思いました。

制限2:ドクターカー

せっかく救急を回ったのに、そして医科歯科にはせっかくドクターカーがあるのに、そこそこお腹が大きかったので乗れませんでした。残念すぎる。

制限3:当直?

学生なので今は当直業務はないのですが、妊娠中の当直は控える場合があるようです。先輩看護師さんに「私は普通に妊娠中夜勤しちゃったけど、オススメしないよ~」と言われました。

 

感染症がこわい

妊娠中はどんな感染症も避けたいものです。特に、胎児に重大な影響を及ぼす可能性のある「TORCH症候群」は怖いです。

しかし、病棟にいるといろいろな感染症の患者さんと出会います。私は実習中、TORCH症候群の「C」であるサイトメガロウイルス陽性の患者さんや、結核疑いの患者さんに出くわしました。回診の時にはなるべく遠くにいさせてもらい、手指消毒も普段以上に気を遣いました。

救急も、患者さんの情報が少ないのでドキドキしました。運ばれてくる方が発熱しているなど感染症の疑いがある場合、ファーストタッチに参加するかどうか判断が難しかったです。

 

医学生だと

褒められる

医療従事者の方々は医学生の忙しさを知っているので、「勉強しながら?うわーえらい!」「いま救急回ってるの?大変でしょう、すごいね~!」と、やたら褒めてもらえました。

また、医科歯科大は大学受験において難関校であるがゆえに、「医科歯科!すごいっすね…」というパターンもあり、リアクションに困りました。

病院見学の気分

私は、初期研修で行きたいと思っている病院の産科に通っていたので、中から病院見学している気分でした!患者目線から医師やコメディカルの方々と触れ合えるなんてなかなかないので、良い経験になりました。「こういうところが困る」「こういう気遣い嬉しい」などの気づきもありました。

問診や回診でちょっと緊張する

カルテに「医科歯科学生さん」と書かれていたので、直接その件に触れられなくても、医学生だとバレているという変な緊張感がありました。変なこと口走ったら恥ずかしいなと…。

入院中の回診では、実習中の自分がそうであるように、上級医と一緒に研修医や学生と思われる若い方が数名一緒に来ました。「そっち側の気持ちわかる~!」と妙な仲間意識でソワソワ、ニヤニヤしてしまいました。

検査結果やモニター表示が気になる

多少勉強した手前、検査の結果やモニター類が気になりました。

自分で自分の採血項目を見るのは興味深く、無駄にすべての値をしっかり確認しました。エコーでは、ベテランの先生が胎児の頭位、腹囲、大腿骨長などをパッパッと測っていく手際の良さに感心しつつ、異常所見があったらどうしよう、とドキドキしながらモニターを見つめていました。

分娩室では自分のバイタル、入っている点滴の種類、CTG(胎児心拍陣痛図)の全てが気になって、逆になんだか冷静でいられました。

同室の方々が気になる

入院中は4人部屋でした。私以外の方が医師とお話している声が聞こえてしまって、それぞれの方の合併症や病状がわかってしまい…。会釈程度のコミュニケーションしかとりませんでしたが、心の中で勝手に心配したり応援したりしていました。

硬膜外麻酔に感動する

今回、無痛分娩を選択しました。硬膜外麻酔の見学はしたことがありましたが、いざ自分がされる側になると、妙にテンション上がってしまいました。

大学で見学した際は、若手(研修医?)の先生がトライしてなかなかうまくいかず、上級医の先生に交代しており、難しそうだなと思いながら見ていました。今回、私の背中に刺してくれた先生はとっても上手くて、一瞬で入り、ほとんど痛くなく、感動しました。カテーテルが入ってくるときの何とも言えないあの感じを、実際に経験できたのもよかったです。

効果もバツグンで、産後の回復が早いことにも感動しました。

小児科医ごっこしたくなる

授業でならった新生児のイロイロが実際に目の前で見られるので、出生直後のApgarスコア計算に始まり、自分の聴診器で胸の音を聴いてみたり、ひととおり反射を確認してみたり、小児科医ごっこを楽しんでしまいました。

ワクチンの定期接種や健診も、勉強になることだらけで楽しいです。

 

つぶやき

医学生、しかも実習中だったことが絶妙でした。実習前だったら働き始めてからのことや病棟ならではのことが経験できなかっただろうと思います。医師になってからだとこんなにお気楽ではいられなかっただろうし、通院先の医師や看護師さんたちとの関係もまた違ったのかなと思います。

なかなかできない貴重な体験ができました。

 

ちょっと本筋から外れた内容でしたが、読んでいただいてありがとうございます。

次回からはまた編入や医学部生活のことを書こうと思います。