東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

東京医科歯科大学医学部編入とTOEFL受験の情報を発信します。

医学生と妊娠出産 その1

前の記事で宣言した通り、在学中の妊娠・出産について、いくつかの記事に分けて書いていこうと思います。

男性や、子供を持つ予定のない方にはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、医師人生の中で、パートナーや同僚、患者さんの妊娠・出産というイベントにはおそらくどこかで接するかと思いますので、読んでいただけたら嬉しいです。

 

はじめに

まず、私の状況を簡単にご説明しておこうと思います。

 

第一子は前職在職中に誕生しました。この時は職場の規定のもと、産休・育休を取得し、育児休業給付金を受給しました。(そしてこの育休中に医学部受験を決意したのでした。)保育園入園時期と職場の都合を調整し、1年数か月で職場復帰、しばらくは時短勤務をしていました。

今回は、5年生の病棟実習の途中から妊婦生活がはじまりました。大学に報告・相談し、妊娠9カ月ころから実習は中止しています。今年はマッチングや卒試を見送ったので、卒業は1年延期となりました。

もともと子供2人を希望していたので、医学部受験を決意した時点で、在学中の出産を想定していました。

 

全く違う環境での妊娠出産は、全く違う経験になりました。学生と社会人でもだいぶ違いましたし、医学知識のあるなしや、妊娠中に病棟に立つというのも良い経験でした。

 

在学中の妊娠出産のメリット

メリット、と書きましたが一般化できるような話でもないように思うので、あくまで私個人の経験に基づく感想としてお読みください。

卒後のキャリアが途絶えない

私が「次出産するなら在学中」と考えていた最大の理由がこれです。

医師になってはじめの5年間程は基本的に修行の時期です。この間、長期に現場を離れるのは避けたい、と考えていました。

また、医師は「卒後○年目」や「○○年卒」などとキャリアを紹介されることも多く、その間にブランクがあるといちいち説明が面倒、というのもありました。

(今でも職歴を話すときに「でもその間1年は育休で…」というのが煩わしくて…)

 

もちろん、医師になってからの妊娠出産という人が大多数ではあるので、大して影響はないのかもしれません。しかし、私は編入でスタートが出遅れているということに若干の焦りもあり、働き始めてから現場を離れるのはモヤモヤしてしまいそうで…。

育児は育児でゆっくり向き合いたいという思いもあり、卒後焦りながらよりも、在学中にのんびり、という選択になりました。

 

誰にも気を使わない

妊娠中はつわりを筆頭に、体調の良くない時がたびたびあります。妊娠初期は放射線に関わる業務は避けたいですし、胎児に先天疾患を引き起こす感染症も怖いです。お腹が大きくなってくると、長時間同じ姿勢でいたり、素早く動いたり、重いものを持ったりすることもできなくなってきます。

また、産院によっては検診のため平日に休む必要がでてくる場合があります。経過中に体調が悪化すれば絶対安静や入院ということもありえます。

産前産後しばらくは休まざるをえませんし、復帰後は子どものさまざまなトラブルで休んだり遅刻早退したりしなければいけない日もあるでしょう。

いくら周囲の方々の理解があっても、できないことがあったり、職場を離れたりするときは気を使うものです。社会人になると自分の役割があり、そこに責任が生じますから、様々な調整も必要となります。

学生だと、休もうが1年卒業を遅らせようが早退しようが、基本的には誰にも迷惑をかけませんし、誰も気にしていません。私が今回大学に報告・相談した時も「おめでとう!体調に気を付けてね!では!」くらいのものでした。

私は実習中だったので、とくに妊娠後期には多くの方々に気を遣わせてしまいましたが、社会人の時と比べると圧倒的に、精神的にラクでした。

 

社会人になった時すでに子供が成長している

小さいほど手がかかりますので、社会人になった時、子供がある程度大きくなっていると楽です。ひとり育てた経験では、3歳すぎればある程度話が通じる。5歳になればトイレお風呂ごはんがだいたい自分でできる。1年生になれば一人前!

子どもが小さいと、熱、怪我、ぐずり、おもらし等々、予期せぬ出来事も次々に起こります。学生の間は帰りが遅くなることは多くありませんし、休むハードルも低く、当直もないので、小さい子を育てやすい環境かと思います。

 

個人的には、初期研修開始時に3歳を超えているのが理想です(なかなか理想どおりにはいかないものですが…)。

 

若い

身も蓋もない話ですが、生物学的に、どう考えても若い方が有利です。いつか子供を、と考えているなら早いにこしたことはないです。

 

スケジュールの見通しが良い

大学の時間割は公開されており、卒業までの5年間、いつ何があるか概ねわかっています。

仕事ではそこまで先を見通すことはなかなか難しいので、妊娠出産を計画する上で学生の方が準備しやすいと思います。

 

休み期間は勉強すれば有意義

在学中に出産すると学業の方にブランクができます。しかし、座学は大学を離れて乳児と向き合う日々でもある程度はできます。私はここまで、育児しながらの勉強で怒涛の日々だったので、ここで復習の時間がとれることは非常に有意義に感じています。

また、復帰後はさらに限られた時間で勉強しなければならないはずなので、来年度までに少しでも国試等の勉強をつめておくつもりです。復帰後の日々に少しでも余裕が出ればいいなと思いながら、日々細々と勉強しています。

働き始めてからもいろいろな時間の活用の仕方はあると思いますので、必ずしもメリットというわけではないかもしれません。個人的に、初期研修や専攻医の間に現場を離れたくなかったので、メリットとして書きました。

 

まとめ

・子どもが絶対ほしい

・医師になってからバリバリやりたい

・ある程度の育児サポート体制が確保できる

という方には、在学中の出産がオススメかなと思います。

 

ただ、世の中、学生が出産することは「イレギュラー」なので、制度面では不利になりがちです。次の記事ではそのあたり含めて、デメリットについて書こうと思います。