東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

東京医科歯科大学医学部編入とTOEFL受験の情報を発信します。

【医学部編入】募集要項を読みこんでみます(東京医科歯科大2020年度)

医科歯科の2020年度編入試験の募集要項が公開されてからしばらく経ちました。今のところ出願締め切りは今月末、1次試験は6月で変更ないようです。

 

さて、今回は前に予告したとおり、最新の募集要項を読み込んでみようと思います。(「前」とはこれのことです↓)

hana-megane.hatenablog.com

 

募集要項というのは、事務連絡と募集内容から構成されているものです。

事務連絡は、絶対に正しく把握しておかないとそもそも応募できなくなるという意味で重要ですが、ここでは募集内容の部分で重要なところだけ拾ってみていこうと思います。実況中継的に、読みながら書いていくので冗長になってしまったらすみません…。

 

1.入学者受け入れ方針「基本理念」

基本理念である「知と癒しの匠を創造し、人々の幸福に貢献する」は短いので、覚えてしまってもよいと思いますが、ここではスルーします。

続けて

・教育について
幅広い教養と豊かな人間性,高い倫理観,自ら考え解決する創造性と開拓力,国際性と指導力を備えた人材を育成します。
・研究について
さまざまな学問領域の英知を結集して,時代に先駆ける研究を推し進め,その成果を広く社会に還元します。
・医療について
心と身体を癒す質の高い医療を,地域に提供するとともに,国内さらに世界へと広めていきます。

とあります。ポイントを拾っておきます。

  • 幅広い教養、豊かな人間性

  • 課題解決能力(創造性)、開拓力、リーダーシップ

  • 国際性:医療を広める

  • 研究:学際性、先進性、社会還元

ふむ。

 

2.入学者受け入れ方針「教育理念」

上記のポイントが繰り返されています。人間性は医療人として患者を理解することに、課題解決能力は独創的な研究のために必要だと書いてあります。

 

3.入学者受け入れ方針「アドミッション・ポリシー」

「求める学生像」と「入試の基本方針」があるので、最重要の気配です。

初めに書いてある、基本理念への共感と医科歯科で学びたいという強い意志、はあって当たり前ですが、志望理由に含めてうまくアピールしたいところです。

続けてとても大事そうな「求める学生像」がきました。

 本学の使命は,研究者・医療人のリーダーを育て,広く社会・人類に貢献する人材を育成することです。それを実現するためには,幅広い教養と知識や,医療・生命科学への旺盛な好奇心のもと,問題を発見し,解決していく能力が必要となります。
 また,本学に入学し培われた経験は,日本国内のみならず,世界に発信していかなければなりません。そのためには,国内外に幅広く目を向け,医療・社会に貢献・還元するという使命感を在学中から意識し,卒業後に実践していく能力が必要です。
 このように,本学で学ぶために必要な基礎学力と,それをさらに発展させる力,自ら考え学習する能力と,それを生涯にわたって継続する力と意志,年齢相応の成熟度を備え,社会に貢献するために必要な倫理観およびこれから伸びる力を有している人材を求めます。

医療人としての高い意識、研究マインド、国際性が繰り返されていることは同じですが、より具体的に書かれています。「社会」や「世界」を意識して、医療界のリーダーとして、医療をとりまくあらゆることに興味をもち、実行力のある人材が求められています。

「入学試験の基本方針」では、資質と適正、関心、課題解決能力と過去の取り組みを評価すると書いてあります。例として「国際感覚に優れる活動など」が挙げられているのでやはり国際性は重要そうです。

 

それではポイントをまた更新してみます。

  • 研究者・医療人としての素養について要求されている
  • 人間性:幅広い教養と知識、豊かな感性、旺盛な好奇心
  • 課題解決能力:自己問題提起、情報の収集と解析、先駆者となる
  • リーダーシップ:社会・人類への貢献という使命感
  • 国際性:国際人として世界に貢献する、最先端を行く

 

4.入学者受け入れ方針 医学部医学科

また理念等々が繰り返されています。大学としての大方針のもとに医学部医学科の方針があるはずなので、書いてあることは大体同じです。ただ、より具体的になっているのと、学士編入向けの記載があるのでそこだけ注目します。

理念、目標はほぼ同じ内容なので割愛。

「求める学生像」でよりクリアになったのは

生涯にわたり学習し,知識と技能を向上させる意志を有している。

一般言語能力と,将来,国際語を駆使できる能力を有している。

学士としての知識と経験や社会活動に基づく成熟した人格を有している。

あたりでしょうか。他はほぼ繰り返しです。

続けて「入学試験の基本方針」。学力検査以外の部分について記載されています。

 面接および提出書類により,大学以降の学習や研究成果を踏まえて,論理的思考能力,リーダーシップ能力,コミュニケーション能力などを評価し,特に,医学・医療の発展に貢献する潜在性や熱意,独自の視点などを確認します。

抽象的ですが大事そうです。「大学以降の学習や研究成果を踏まえて」ということなので、何らかの研究をしているとやや有利な印象です。熱意や独自の視点などもうまくアピールしたいところです。

「入学までに心がけて欲しいこと」からは、

社会的一般常識,読解力,作文能力,コミュニケーション能力も重要です。多様な背景をもつ人たちとやりとりできるようなレベルを目指して社会的視野の涵養に努め,また日本語・英語能力の向上に努めてください。

この辺が特徴的でしょうか。

 

5.募集要項 「募集の目的」

これまでと書いてあることはほぼ同じです。再度登場しているのは、成熟した人格、医学への強い意志、広い領域から選ぶ、国際的な視野、医師・研究者のリーダーとなるべく人が欲しい、というあたりです。

 

ポイント整理

長くなりましたがポイントを更新して再度整理してみます。

  • 研究者・医療人としての素養について要求されている
  • 人間性:幅広い教養と知識、豊かな感性、旺盛な好奇心、成熟した人格
  • 課題解決能力:自己問題提起、情報の収集と解析
  • リーダーシップ:社会・人類への貢献という使命感、先駆者となる
  • 国際性:国際人の意識、世界への貢献、最先端のキャッチアップ、英語力
  • その他:熱意、生涯勉強、コミュ力

これを全部盛り込むとなんだかわからない人になりそうなので、特に自分が輝いてるなと思うところを強調してアピールすれば良いと思います。

あえて私が特に重要そうだと思うものを3つ挙げるとすれば、社会全体とか人類とかいうレベルで考えていること、臨床やるにしても研究マインドがあること、学ぶ意欲と好奇心があること、でしょうか。医療に対する熱意は大前提です。

逆に、地雷だなと思うのはこんな発言です。

  • 勉強はあまり得意じゃない/好きじゃない
  • 日本史/世界史/倫理/政経/国語は苦手、理系バカ
  • 法律や政治や経済には興味があまりない、新聞は読まない
  • 飽きっぽい、短気と言われる、子供っぽいところがある
  • 読書しない、趣味がない
  • 英語に苦手意識がある/留学は考えていない
  • 実家をついで地元に貢献したい
  • 研究には興味がない/研究だけやりたい
こういう人がダメということではなくて、医科歯科の学士編入では求められていないということです。上記はあくまで例ですが、このような、募集要項に反していることは(本音や事実だとしても!)面接でうっかり口走るのは避けた方がよさそうです。緊張すると変に謙遜してポロっと言ってしまったりするのでご注意を…!

 

つぶやき

入学者受け入れ方針の前半部分と「医学部医学科」の部分はほぼ同じ内容だったので、医学部医学科のところだけ読みこんでいくのでも十分だと思います。

上で書いた通り、面接で(もちろん書類でも)うっかり地雷を踏むのは避けたいです。もしそっと胸に秘めておきたいことがあれば、募集要項を読みこみしっかり自己暗示をかけて、ぜひ良い面のみをアピールしてきてください。

国際性(英語力)に関しては何度も何度も強調されていますが、私みたいに留学経験なし・英語力微妙でも合格していますので、もし同じような人がいれば、あきらめずに頑張ってください。

 

今年度の受験を検討されている方は今が佳境だと思います。体調に気を付けつつ、頑張ってください。

 

次回は、2018年度筆記試験の問題の出典と設問を具体的にご紹介しようかと思います。(なくしたor回収されたと思っていた問題用紙が出てきたので…!)