東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

東京医科歯科大学医学部編入とTOEFL受験の情報を発信します。

医科歯科と東工大と一橋大と外語大

本日は、四大学連合の話です。

 

先日、医科歯科大と東工大が1つの大学として統合することを発表したところですが、じつは以前から東工大を含む他大学と医科歯科大で、大学連合が作られていました。

それが「四大学連合」です。メンバーは、東京医科歯科大学と、東京工業大学一橋大学東京外語大学です。

こちらに四大学連合のwebサイトもあります。

www.tokyo-4univ.jp

 

発足は2001年で、意外と歴史があります。

 

大学の上層部としては統合や合併などの思惑もあるのだろうなあとは思いますが、今回はそれはさておき、学部学生にどのような影響があるかを書きたいと思います。

 

他大学の講義の履修

四大学連合の学生は、設定されたいくつかのコースに参加登録することによって、特別聴講学生となり、他大学の講義を正式に履修することができます。

履修後は単位を取得することができ、要件をみたせばコース修了も認定されます。

 

良い点としては、もちろん医科歯科では受けられない講義を履修可能な点です。

たとえば

などが履修可能です。上記はごくごく一例で、各コースごとに履修可能な講義が数十科目設定されています。

その他のメリットとして、プラスの授業料などが発生しないことと、講義のある大学の図書館や食堂をふつうに利用できるようになるということもあります。

 

最大のデメリットは、履修が物理的に、そしてシステム的にハードだということです。

四大学連合とは言ってもそれぞれの大学の独立性は保たれているので、それぞれのキャンパスで、それぞれの履修システム、時間割とルールのもと、開講されています。

そのため、まず時間割を突き合わせて、移動時間を加味した上で本当に履修可能か、自分で検討する必要があります。手続きも複雑でわかりにくいです。シラバスや時間割もフォーマットがバラバラです…。

 

コロナ禍でオンライン講義が増え、移動時間の問題が解決しつつあるようですが、医科歯科生はそもそも時間割に隙間がないので他大学の講義を履修することはかなり難しいかもしれません。一方、2年生のころ、他大からの履修生を数名見かけた記憶があります。

 

面白そうな講義がたくさんあるのですが、医科歯科生が履修するには相当な計画と気合が必要そうです…。

 

勉強会など

四大学連合として主宰している勉強会のようなものがいくつかあります。

よく大学から案内がくるのが「ポストコロナ社会コンソーシアム」です。これはたぶん四大学の関係者のみ参加できるものです。

www.tokyo-4univ.jp

 

他に、四大学連合が主催しているものとして「文化講演会」があります。こちらは、関係者以外も参加できるようです。

www.tokyo-4univ.jp

 

その他、連携している他大学のシンポジウムの情報などがたまに大学から共有されます。過去のメールをちらっと見たら、

  • 世界経済の不確実性に対する欧州の主な課題(一橋大)
  • エビデンスでみるコロナ禍:ポストコロナ社会への示唆(一橋大)
  • 専門領域を超える問いの立て方を考える(外語大)

などがありました。関係者のみのものもありますが、四大学連合の学生ということで、このようなクローズドの勉強会にも参加するチャンスがあります。

 

MMAコース

医科歯科の大学院として設置されている修士課程のコースですが、他大学の教員が担当する講義もあるため、四大学連合のwebサイトに案内が掲載されています。

www.tokyo-4univ.jp

医科歯科の学部に在籍しながらMMAに入学するのはおそらく制度上難しいですが、教務係から聴講生としての登録を募集する案内がきていました。興味があれば、入学後、聴講生として講義を聞くことは可能です。平日の夜18:00-21:00頃の開催で、しかも今はオンラインが主体なので、参加しやすいです。

医療経済や制度・政策には興味があるので、聴講したいなあといつも思うのですが、平日の夜は子供がいるとなかなか難しく…残念。オンラインになったのでアーカイブ動画を学内で公開してくれたら嬉しいのですが。

MMAは学士があれば応募できるはずなので、医科歯科編入を考えている方で学士を持っている方は、一度チェックしてみるのもオススメです。1年で終了するコースもあるので、時間的余裕があるなら、編入へのステップとしていいかもしれません。

 

 

東京医科歯科大学と東京工業大学

唐突にお願いしたにもかかわらず、すでにアンケートにご協力いただいた方々がいらっしゃり、大変感謝しています。ほんとうにありがとうございます。リアクションをいただけるってとても嬉しいです。

アンケートは今月末までオープンにしております。答えてもいいかな、と思ったところだけで結構ですので、気が向いたらぜひポチポチお願いします。

(アンケートは締め切りましたがフォームは開けっぱなしなので、何かコメントしたいときにお使いください)

https://forms.gle/e1j12UomTUpLPCVw7

 

アンケートの中でこんな質問をしています。

Q. どちらかと言えばどちらですか?

  • たくさん更新してほしい
  • 厳選した内容で公開してほしい

今のところ「たくさん更新してほしい」が100%です!今後、更新頻度をあげていけるように頑張ります。

 

では本題です。

新大学誕生!

ニュース等でご存知の方も多いかもしれません。先日、わが東京医科歯科大と、あの東京工業大が、統合して、新たな大学となる(ことにむけて合意した)ことが正式に発表されました。会見をご覧になった方もいるでしょうか。

ググればいろいろ出てくるとは思いますが、大学のプレスリリースを貼っておきます。

www.tmd.ac.jp

 

両学長の危機感と決意

私は記者会見と、学内向けの説明会動画を観ました。

これからの世代のためにどう貢献していくか、そのために何ができるのか、どうすべきか、という高い視座からのアツい想いで、統合にいたったのだということが、よくわかりました。

「リスクをとる」「チャレンジする」という意味で、1法人1大学ということです。世界的に見れば研究水準が高いとは言えないことに対する危機感、コロナ禍で浮き彫りになった社会的課題と大学の役割、こういったことに真正面から取り組むんだという両学長の決意がヒリヒリと伝わってきました。

医学も工学も比較的社会実装に近いところにある学問なので、ゴールが同じ方向にある、というのも大きかったようです。単なる医工連携に留まらない効果をイメージされているようで、聴いていてワクワクしてしまいました。これから入学する人がちょっとうらやましいです。

医科歯科を受験しようと考えている方、関連する資料やニュース記事は、必見です!

 

統合のスケジュール

大きな改革になるので、当然すぐに何もかも一体というわけにはいかないようです。

2024年度中期を目処に新大学発足ということですので、私たちの代(現5年生)までが「東京医科歯科大学」卒、となりそうです。来年度試験を受ける方が入学する時はギリギリ東京医科歯科大で、入学後すぐに名称が変わりそうですね。

2028年3月までが移行期間だそうです。徐々に体制を整えていき、学位・教育課程の変更を伴う組織改編を行うとのこと。まずは大学院から改革をはじめるそうなので、学部のカリキュラムに影響がでるのは最後なのではないでしょうか?

学部生として一番影響がありそうなのは教養課程でした(編入生には関係ない…)。医科歯科では今も看護や検査の学生と一緒に教養課程を過ごしているそうですが、さらに理工系の学生もまざって、科目の選択肢も増えたら、楽しそうですよね。東工大の物理とか、いいなあ。

会見では「まだ何も決まっていない」とは言いながら、融合の拠点となるような新たなキャンパスを作る構想もあるようです。

 

入試への影響

一般も編入も、すぐには変わらなそうです。特に一般入試の変更は影響が甚大なので、変更する場合は早めに告知があると思われます。

編入試験も当面は今のままな雰囲気でした。統合の趣旨を考えても、異なるバックグラウンドを持つ学生を受け入れることにはポジティブなのではないでしょうか。

勝手な予想ですが、ゆくゆくは理工学部の学生が医学部に「内部編入」するルートなどが設けられそうな気がします。もしそうなると、編入試験にも何かしらの影響があるかもしれませんね。

 

新大学名

両校とも歴史と伝統があるので、統合後の新大学名に注目が集まっています。記者会見の翌日はオペ室でも「大学名どうするんだろうね」という話題で盛り上がっていました。この機会にぜひ重厚感のある、そして英語にした時にもカッコいい名前にしてほしいものです(今はどっちも私大に間違われたりしがちなので…)。

一番よく目にするのが「東京医科歯科工科大学」の類ですが、田中学長的には「東京医科歯科大学」でもちょっと長いと思っているようなので、これ以上長い名前になる可能性は低そうです。

名前ってめちゃくちゃ大事ですよね。どのように決めるか未定のようですが、今後も注目していきたいです。

 

つぶやき

医科歯科の受験を考えているなら、統合のニュースは絶対抑えておくべきです!

そしてシンプルに、こういうチャレンジをしてくれる大学、魅力的だなあと思います。迷っている方、医科歯科大、オススメですよ…!

 

次回は、統合ともちょっと関係のある「四大学連合」について書きたいと思います。

作文が苦手で、いつも公開まで何度も直して時間かかるのですが、更新頻度を優先してアップしていきます!

突然ですがアンケート(20221014-1031)

いつもアクセスしていただきありがとうございます。

もともと更新頻度が高くないですが、最近さらに更新していなくて、勝手に反省していたところです。

できるだけ役立つ情報を発信したいというモチベーションなのですが、何が役立つのか正直よくわかっていないところもあります。

 

そこで!突然ですがアンケートフォームを作成しました。

質問数は少ないので、お手すきの際にポチポチしていただけると嬉しいです。

もちろん匿名ですし、全ての質問はスキップ可能なのでお気軽にご回答ください。

今日から月末まで約2週間オープンにしておいて、そのあと集計結果をご報告しようと思います。

 

(アンケートは締め切りましたがフォームは開けっぱなしなので、何かコメントしたいときにお使いください)

https://forms.gle/e1j12UomTUpLPCVw7

 

記事を公開してから約3年ですが、平均して毎日50pvくらいはあります。

医科歯科の編入のこと(とちょっとTOEFLのこと)しか発信してないのに、一体どういう方が見てくれているのか興味があって、回答者自身について2問質問させていただきました。よろしければご回答ください。

 

てきとうなアンケートですが、集計を結構楽しみにしています!

 

 

雑談

月9ドラマの「PICU」を観ました。号泣。

細かい用語とか、置いてある機器類とか、わかることが増えて医療ドラマ見るのが前よりも楽しいです。もちろん、突っ込みどころも増えてしまいますがそこはそっと目をつぶって…。エンドロールで、どの病院が協力しているのかとか、どこの先生が医療監修しているのかとか、ついチェックしちゃいます。

病棟実習 第5~第8クール

とても間があいてしまいましたが、キリのいいところまで書きたいので続いて第5~第8クールです。

腎臓内科、産婦人科、小児外科、内分泌内科をそれぞれ2週間ずつ回りました。

2週間回る場合は、基本的に1週間に1人、計2名の患者さんを「担当」します。担当と言っても学生にできることは

  • カルテから経過を把握する
  • 問診する
  • OSCEレベルの簡単な身体診察をする
  • 患者さんに会いにく
  • 学生カルテを書く(←非公式資料)
  • 経過のサマリを作成する

くらいです。担当患者さんに何か処置をしたり手術があったりする場合は見学します。

何かを判断する権限はありませんが、鑑別診断や治療方針について「どう思う?」と聞かれることはあります。

腎臓内科

研修医にくっついて、患者さんの診察をしたり入院サマリを作ったりしました。研修医の先生と相性が良かったのと、先生方が話しやすかったので、楽しかったです。全体的に教育的な雰囲気で勉強にもなりました。2週目は、肺炎で救急搬送され、腎機能低下があったために腎臓内科に回ってきた患者さんを担当しました。ICU管理となっていたのでなかなか診察に行くことはできませんでしたが、第1クールで真面目に予習した集中治療のいろいろが、ここにきて役に立ち、嬉しかったです。

発見

・医科歯科では腎臓内科医がシャント手術を行う

・透析のバイトは良い

・腎内は人気で入局が6月には締め切られる

見学以外で経験したこと

・入院時サマリの作成

・問診と一般的な身体診察

・末梢神経(振動覚)の診察

・カンファでの発表

 

産婦人科

1週目が産科、2週目が婦人科でした。産科の実習は正直お産次第です。私の週は少ない週だった上に学生見学NGの患者さんが多く(気持ちはとてもわかる)、ほとんどお産を見られませんでした。しょんぼりしていたら2週目にあった帝王切開で術野に入れていただき、経腟分娩にも呼んでいただけて、最終的にはいろいろなお産を見ることができました。婦人科では筋腫の患者さんのIC、回診、診察、オペと一連を見学させてもらえました。外来では不妊治療の需要の高さを目の当たりにしたのと、医科歯科で行っているプレコンセプションケア(PCC)外来=持病と付き合いながら妊娠を考えるための相談外来が印象的でした。妊娠や出産自体が持病の悪化につながったり、場合によっては致命的になることすらあるので、丁寧に、正確に、リスクを説明し、妊娠を希望する場合どういった配慮が必要なのか、患者さん自身に理解していただき、納得した上で選択していただくためのものです。他の病院にもこのような外来はあるのでしょうか?ぜひ広がってほしいです。

発見

・症例について述べる時性別を言わない

・卵巣腫瘍は胎児ばりに巨大化することがある

産婦人科はゴリゴリの手術手技がある(特に婦人科)

見学以外で経験したこと

帝王切開オペの介助

・新生児の採血の介助(幸せ)

・カンファでの発表(と言っても読むだけ)

 

小児外科

医科歯科の小児外科は一旦つぶれて、現在の岡本先生が来たことによって復活した科です。4人体制が基本ですが、少人数だからといってめちゃめちゃに忙しいわけでもなさそうでした。小児外科のとにかくすごいのは対象の広さです。耳も食道も肝臓も副腎も小腸も肛門も精巣も手術対象です。先週20歳過ぎの方の手術をして、今週は生後0日の赤ちゃんの手術、という世界でした。すごいの一言につきます。先生方の雰囲気は、外科!というより小児科!という感じで、みなさん優しげでした。

発見

・レア疾患が多く他の外科のように究めると言うより応用すると言う感じ

・対象とする臓器が幅広い(大人の外科との違い)

・注腸造影も内視鏡も小児外科医がやる

見学以外で経験したこと

・術野に入る(鼡径ヘルニア、腸管固定不良疑い)

・オペカンファ用の資料作成

 

糖尿病内分泌代謝内科

内分泌と血液内科のあるフロアの感染制御レベルが引き上げられており、学生は病棟に立ち入ることができませんでした。糖尿病や血液がんの患者さんは免疫が落ちているので、特に注意する必要があるためです。仕方のないことなのですが、内分泌はいろいろ学生にもやらせてくれるときいていただけに、病棟で実習ができないのは残念でした。オンラインの動画を用いた自習と、課題スライドの作成と発表がありましたが、やっぱり病棟に行きたかった…。

発見

・糖尿病がほとんどかと思いきやそういうわけでもなかった

見学以外で経験したこと

・なし

 

 

つぶやき

下書きでメモしてはいたのですが、やっぱり直後に書かないとリアルな感動が伝わりにくい気がしますね…。長い記事をたまーに公開するより、短くても頻繁に更新した方がよいのでしょうか。

腎臓内科は思ったよりも楽しかったし、産科は思ったとおり良かったし、小児外科は思った以上にすごかったです。語彙力が無くて悲しくなりますが、とにかく実習はとても学びが多いです。

その分内分泌の病棟実習がなくなったのが本当に残念ですが、たぶん来年また選択できるので、リベンジしたいです。

つづく第9、第10クールは休暇で、病院見学にいったりしていました。卒後の進路について今すごく悩んでいます。自分の頭の整理のためにも、今見えている卒後のあれこれについて今後記事にするかもしれません。

病棟実習 第1〜第4クール

久しぶりの記事ですが、自分の備忘を兼ねて、実習のことを書こうと思います。

 

第1~第4クールで回ったのは以下の科(部)です。

集中治療部/麻酔科/皮膚科/形成外科/脳神経外科放射線科/泌尿器科/整形外科

たまたま1週間ごとにローテするタイプの診療科(SPB)が4クール続いていたので数が多いです。

 

全体的な思い出と、発見したことと、見学ではなく実際にやらせてもらえたことを書いておきます。

 

集中治療部

私が回った時はICUが比較的落ち着いていて、平和でした。しかし当然ながらシビアな患者さんがいらっしゃることもあり、終末期のケアやご家族とのコミュニケーションについての本がいくつも置いてあったのが印象的でした。

1週目だったので私はやる気に満ち満ちており、動画教材を超きっちり予習してから実習に臨みました。結局ICUローテ中に予習して良かった~と直接感じる機会はほぼなかったのですが、この時の知識がのちのち他科で大変役に立ちました。

発見

・医科歯科の集中治療「部」は主治医にならない(主科と相談しながら管理する)

・挿管している患者さんばかりというわけではない

・術後管理の患者さんは問題なければ2日くらいで退室してゆく

見学以外で経験したこと

・ASO患者さんの足背動脈の触診

 

麻酔科

あさイチの手術のために準備をするところから始まるので、朝が早かったです。女性の先生も結構いました。教育的で、様々な麻酔を見学させてくれた&しっかり諮問がありました。片肺換気、小児の麻酔、産科麻酔は特殊なので、6年生で選択すれば見られるとのこと。図書館で借りて行った「麻酔科研修チェックノート」が役に立ちました。

外科を回る前に麻酔について学べたので、外科で手術見学に入った時にも麻酔のことまで少し理解できるようになったのが良かったです。

発見

・初期研修医からやらせてもらえる手技が多い

・上手な麻酔科医は先手を打つので術中バイタルの変化が小さい

・麻酔が安定している間はあまりやることがない

・体位を変える(ベッドの傾きを変える)のは麻酔科医の仕事

見学以外で経験したこと

・BISモニタ(意識レベルのモニタ)を貼る

・朝カンファでの発表

 

皮膚科

参加必須になっている部分が少なく、激ゆるでした。オプションになっていた外来見学に参加したら、とても勉強になりました。見学のつもりで外来に行ったら初診患者さんの病歴聴取を任されたときは焦りました。

発見

・いわゆる皮膚疾患の他に、膠原病、腫瘍、コロナの後遺症、アレルギーなどの患者さんがおり、思ったよりカバーする疾患が広い

・小手術もする(腫瘍の切除など)

・女性医師が多い

見学以外で経験したこと

・初心患者さんの病歴聴取と先生へのプレゼン

 

形成外科

最初にカンファに参加したのですが、前日のオペが深夜3時くらいに終わったらしく、なかなかの空気でした(笑)。患者さんのQOLに直結する仕事をするので、とっても感謝されそうだなと思いました。他の場所から組織をもってきたり、顕微鏡のぞきながら血管を吻合したりするので、ダイナミックかつ繊細なオペが多く見学のし甲斐がありました。

発見

・他科と一緒に入るオペが多め

・大きなオペの場合、形成外科医の役目は最後に回ってくるので夜遅くなりがち

・個々のケースに合わせてクリエイティブに形成する(ガイドラインなどにしにくい分野)

見学以外で経験したこと

・模型を使った皮膚縫合の練習

 

脳神経外科

もともと脳に興味があるせいかもしれませんが、想像してた以上に楽しかったです。術野に入れてもらったり、顕微鏡をのぞいて血管吻合の練習をしたり、いろいろとやらせてもらえたことも大きかったかもしれません。閉創の糸結びをさせてもらえたのですが、緊張しました…!お願いしたら外来も見学させてもらえました。

開頭手術も脳外っぽくて良かったのですが、鼻の穴からアプローチして脳底にある腫瘍を切除する手術(経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術)も興味深かったです。6年生では2週間回るので、血管内治療(脳動脈瘤のコイル塞栓術とか)の方も見られるようです。

発見

・女性医師がわりと多い

・研修医2年目の早いうちに入局宣言しないと締め切られてしまう(シーリングがあるし人気)

・大開頭オペが多いわけではない

見学以外で経験したこと

・血管モデルを使った血管吻合の練習(顕微鏡下)

・術野に入る

・閉創の糸結びと糸切り

 

放射線

読影のレクチャーと、放射線治療の現場の見学がメインでした。学生が実際にできることは少なく、放射線を扱うので直接見学もできませんでしたが、レクチャーが充実していました。医科歯科には放射線「診断科」と放射線「治療科」があり、6年生では診断科か治療科のどちらかを選んでもっとディープに実習できるようです。

発見

・癌治療の照射は再現性命なので患者さんは固定具(個別に作成した立体的な網状のもの)でガチガチに固定する

肝細胞癌のラジオ波焼却も放射線科医がやる

見学以外で経験したこと

・実際の症例を用いて腹部CTの読影デモ

 

泌尿器科

いかにも泌尿器っぽい前立腺癌のダヴィンチ手術と、ミニマム創の腎・尿管摘出術を見学できました。長時間の手術が多く、膀胱再建があった場合はもっと長くなるとか。一方で排尿障害に内科的な治療もしたりして、外科から内科まで、いろいろできるのが泌尿器の魅力だと思いました。ダヴィンチの登場で、この領域のオペは大きく様変わりしたようです。

発見

・腎臓のオペは泌尿器科の仕事(腎泌尿器外科と言ったりする)

・女性医師は予想通り少ない

・医科歯科泌尿器のFacebookページがある

見学以外で経験したこと

ダヴィンチの操作ドックに座って術野を見る

・模型を使って尿カテ挿入の練習

 

整形外科

私は「上肢」班の先生が指導医だったので、肩の腱板断裂のオペをメインで見学しました。他に、脊椎の手術と、膝の手術も見学しました。患者さんは高齢の方が多いですが、スポーツ系で若い方もいました。忘れがちですが骨・軟部腫瘍も整形外科の領域です。整形外科のローテ中にリハビリ部も訪問しました。

イメージ通り整形外科の先生方は明るく・さわやか・フレンドリーな方が多かったです。個人的には、トンカチ・ドリルが登場するオペは向いていない気がしました…。

発見

・整形のオペは超清潔にする必要がある(無菌領域・人工物を入れる・血流少ないため)

・特に膝関節や股関節のオペでは宇宙服のような手術着を着て完全防備

・リハ部は整形の患者さんだけでなく、術後や内科的治療中の患者さんもいる

見学以外で経験したこと

・術野に入る

・模型を使った骨折の創外固定の練習

 

つぶやき

第1~第4クールは1週間で回るSPBばかりだったので、目まぐるしい日々が続きました。診療科が変わるたびに目標を書いたり反省と自己評価を書いたりするのですが、1週間ローテが続くとこれも頻繁になるので毎週大変でした。

心配していた""朝保育園に送れない問題"は、家族の協力とファミサポの利用でどうにか乗り越えてきました。直前まで予定が確定しないこともままあり、外注したものの「別に自分で送れたな…」と言う日もありましたが、まあよし。

SPBでは「この手術でレポート書いてね」などはあっても、いわゆる「担当患者さん」の割り当てはないので、患者さんとの交流は皆無でした。カルテを見ることはあっても、自分で書くことはないまま来てしまったので、今後の内科ローテが若干不安です…。

上に書いたものの他に、クルズスと言う短い講義的なものがちょこちょこあったり、用意された動画で自習したり、レポートや発表などの課題がでたりしています。ローテに合わせてその科の知識を復習しようと思ってはいるのですが、ついつい実習の方が楽しくて&朝方生活が眠すぎて、自習は思うようにはかどっておりません…。

編入会がありました

少し前ですが、編入会がありました。

私より上の代の方は1人しかいませんでしたので、参加者はほぼ、改定後の編入試験を受けた人々ということになります。

 

短い時間&オンラインだったので、あまりたくさん交流できたわけではないのですが、みなさん実に多彩なバックグラウンドをお持ちでした。

 

医科歯科の編入試験に関して、よく

東大生でないと厳しいですか?

理系でないとダメですか?

留学経験は必要ですか?

年齢が若い方が合格しやすいですか?

といった類の質問をいただき、そのたびに「関係ないと思います」「東大は多いですが、母数が多いだけだと思います」などとお答えしていますが、今回、みなさんのプロフィールを知って、やはり関係ないよな、と改めて思いました。

 

キャラクターも、話を盛り上げてくれる人、にこにこ相槌を打ってくれるひと、緊張してる人、義理で参加してそうな人(笑)、いろいろでした。

 

年によって社会人が多かったり、海外大卒が多かったりと若干の偏りもあるので、大学側が毎年バランスよく合格させようとしているとも考えにくいです。

何を基準に選考しているのか、ますます謎が深まるのですが、「もっと話を聞いてみたい」と思うような”面白そう”な人たちだなあ、とは思いました。

 

これから受験を考えている方は、そんなことを言われても!と思われるかもしれませんが、出身大学や、文系理系、特定の経験、年齢などで絶対的に判断されてしまうことなく、広くチャンスがあるとポジティブに考えて良いように思います。

 

あと驚いたのは、このブログを見てくださっていた人が何人かいた、ということです!

これはとてもとても嬉しかったです。

「もしかして…」「はい…」「え!ほんとに!」というやりとりは恥ずかしくもありましたが…!

もし入学後も見てくれている方がいて、編入試験についてインタビューされてくれる(&私と雑談してくれる)方がいたら、ぜひぜひご連絡ください。

 

コロナがなければ、集まって直接お話できたと思うと少し残念ですが、オンラインでもこうやってつながりができてありがたいです。

病棟実習が始まったり研修医になったりすると時間の都合がつけにくくなってきますが、できる限り(鬱陶しがられない範囲で…)参加していきたいと思う会でした。

東京医科歯科大 医学科5年生の病棟実習の概要

編入試験のシーズンですが、試験には全然役立たない情報発信で恐縮です。

記憶のフレッシュなうちに、病棟実習について書いておこうと思います。

 

病棟実習の概要

前にどこかに書いた気もしますが、情報がアップデートされたのでもう一回書きます。

 

病棟実習では1診療科あたり1クール=2週間回るのが基本です。

回れる診療科の数や1診療科あたりのローテーション期間はときどき変更されているようなので、今後もまた変わるかもしれません。

ここでは今年の5年生のローテについてご紹介します。

 

回る科は、必修と選択があります。例によって先輩から様々な情報が受け継がれていて、実習の内容やハードさ、科の雰囲気、課題などを見てそれぞれの科に希望順位をつけます。休暇については日程の希望を出します。成績がよいほど希望が通りやすいらしいという噂。

 

内科:選択

循環器、消化器、呼吸器、腎臓、脳神経、内分泌代謝、血液、膠原病リウマチ、総合診療の9つから7つ選択できます。

外科:選択

心臓血管、呼吸器、胃食道、大腸肛門、肝胆膵、末梢血管、乳腺、小児の8診療科から5つ選択できます。

外科は、面倒見がよくて人気な科と、拘束時間が短くて人気な科に大別されているような気がします。

小児・産婦:必修

小児科と産婦人科は必修で全員回ります。

これもそれぞれ2週間。

スペシャルティ・プログラム(SPB):必修

いわゆる「マイナー科」を中心に12診療科、これも必修です。

SPBだけは1診療科あたり1週間で、2診療科がワンセットになっています。具体的には、集中治療部+麻酔科、放射線科+脳神経外科、皮膚科+形成外科、腎泌尿器外科+整形外科、眼科+耳鼻咽喉科、精神科+病理部の6セットです。

休暇

4クール(2週間×4回)取れます。時期はひとによりまちまち。

6年生について

6年生は緩和ケアが必修で、あとは選択らしいです。5年生では1週間だったSPBの各診療科も、6年生で選択すると2週間回れます。6年生でしか回れない科としては救急があるようです(他にもあるかもしれない)。

また、6年生では実習を数か月海外で行うという選択肢があります。コロナでしばらく中止になっていたのですが、つい最近募集があり、このまま感染が拡大しなければ来年度は海外実習が復活しそうです。

 

病棟実習の実際

選択とは言っても内科は7/9、外科は5/8選べるので、パーフェクトではないにしても希望はおおむね通ります。

というより、もはや下の方の順位は何にしたか覚えていないから希望がどれくらい通ったのか自分でもわからない、という人も結構います。

各診療科を回る時期や一緒に回る学生は、3月下旬にローテが決定するまでわかりません。一緒に回るメンバーは1クールごとに変わり、人数も科によってまちまちです。1回も一緒にならない人もたくさんいるし、3回くらい一緒に回る人もいます。

私の場合

第1クールから第4クールまでの8週間ずっとSPBが割り当てられていたので、すでに8診療科まわりました。

今週は初めての内科です。このあと産婦、内科と続いて初めての外科は7月にやっとあります。

病棟実習の流れ

  1. 代表学生が担当の先生と連絡をとる
  2. その科の実習内容が説明される
  3. 実習(カルテ記載、オペ見学、外来見学、診察、レクチャーなど)
  4. 総括(諮問、プレゼン、レクチャーなど形式はさまざま)
  5. 振り返り(アンケート的なものを記載する)

やってみて初めてわかったこと

コロナの影響で都度内容が変わる

COVID-19の流行次第では、実習がほとんどオンラインになってしまうことがあります。

4月の第1クールはほぼ登校ナシとなっている診療科もありました。現在はどの診療科も病棟実習が復活しています。ただ、実習中の学生がワイワイするための「演習室」が気軽には使えなかったり、レクチャーがZOOMだったり、午前中で帰らされたりなど、まだ少し影響はあります。

今後も感染拡大の状況次第で実習の内容が変わってしまう可能性はあります。せっかくの実習なので、できるだけ病棟にいられれば嬉しいのですが…。指導してくれている先生方もいろんなプランを用意しておかなくてはいけないので、大変ですよね…。

OSCEは大事

唐突に「やってみる?」と言われて、患者さんの診察をしたり問診をしたり術野に入ったりするチャンスが訪れます。4年生のOSCEで要求されるレベルのことは身についていないと冷や汗をかきます。

私は先週、「新規入院患者さんの身体所見をひととおりとる」というイベントが急に発生して、全然できなくてとてもへこみました。

先々週は、オペ見学中に急に「術野入る?」と言っていただいて、手洗い(外科医がする本格的な手洗い)をしたものの指輪を外し忘れていてやりなおしになり、手術ガウンを着るのに手間取って「あ、もうそれ不潔(※)」と言われてやりなおしになり、とてもへこみました。

(※)不潔、とは「汚い」とかいう話ではなく、滅菌されてないものに触れたね、という話です。

学生に優しい

たぶん基本的に何も期待されていないので、怒られたりはしないです(オペ中に清潔野を不潔にしそうになったり、邪魔なところに立っていれば注意はされる)。

カルテのサマリを上級医の先生が丁寧に直してくれたり、手術中に丁寧に解説してくれたり、こっちが恐縮するくらい教えてくれる科もあります。

研修医の先生はとても忙しいので、連絡がつかないこともたまにあるようですが、私が先週お世話になった先生は本当に面倒見がよくて、学生でもできることがあるときはいつも声をかけてくれました。

実習の予定表にないことでも、見学したい、と言えばだいたい調整して見せてくれます。個人的には外来見学が好きで、実習の予定表になくても、見学可能か聞いてみることにしています。

カルテの使い方はOJT

電子カルテの使い方について簡単な説明書はあるのですが、細かいことは触って覚えるという感じです。正直最初はなにがなんだかわかりません。内科を1つ回ると多少はわかるようになります。

総合診療科を回るといろいろなコツを教えてもらえるというウワサですが、私はだいぶ後の方に回るので、残念。

朝早い

前にも書きましたが、朝早いです。8:00からミーティング、という科が結構あります。これに学生も参加してね、というパターンだと8:00前に大学にいる必要があります。概して外科系は早いです。

夕方の拘束はほとんどありません。担当症例のオペが長い時は残ったりしますが、それでも17時をすぎると「いいところで帰ってね」と声をかけてもらえます。昼解散もしばしばあります。コロナとか働き方改革とかの影響かもしれません。

診療科ごとにスケジュールが異なり、直前まで、時には前日まで、スケジュールがわからないのが私にとってなかなかつらいところです。

迷子になる

ロッカーがある建物と病棟の連絡階が限られています。職員用エレベーターがわかりにくい位置にあります。階段は何か所かあるのですが、場所によってはドアがあけられない階があります。コロナ患者入院病床があるのでさらに複雑なことになっています。手術室への行き方が初心者には難しいです。

そんなわけで、はじめの何週間かはみんな迷子になります。

ただいま建設中の「機能強化棟」が完成したら、さらに迷子になりそうな気がします。

 

つぶやき

いつもながら雑多に書いてしまいました。

各診療科でいろいろな発見(や反省…)があるので、また時間のある時に書きたいと思います。