東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

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東京医科歯科大 医学科5年生の病棟実習の概要

編入試験のシーズンですが、試験には全然役立たない情報発信で恐縮です。

記憶のフレッシュなうちに、病棟実習について書いておこうと思います。

 

病棟実習の概要

前にどこかに書いた気もしますが、情報がアップデートされたのでもう一回書きます。

 

病棟実習では1診療科あたり1クール=2週間回るのが基本です。

回れる診療科の数や1診療科あたりのローテーション期間はときどき変更されているようなので、今後もまた変わるかもしれません。

ここでは今年の5年生のローテについてご紹介します。

 

回る科は、必修と選択があります。例によって先輩から様々な情報が受け継がれていて、実習の内容やハードさ、科の雰囲気、課題などを見てそれぞれの科に希望順位をつけます。休暇については日程の希望を出します。成績がよいほど希望が通りやすいらしいという噂。

 

内科:選択

循環器、消化器、呼吸器、腎臓、脳神経、内分泌代謝、血液、膠原病リウマチ、総合診療の9つから7つ選択できます。

外科:選択

心臓血管、呼吸器、胃食道、大腸肛門、肝胆膵、末梢血管、乳腺、小児の8診療科から5つ選択できます。

外科は、面倒見がよくて人気な科と、拘束時間が短くて人気な科に大別されているような気がします。

小児・産婦:必修

小児科と産婦人科は必修で全員回ります。

これもそれぞれ2週間。

スペシャルティ・プログラム(SPB):必修

いわゆる「マイナー科」を中心に12診療科、これも必修です。

SPBだけは1診療科あたり1週間で、2診療科がワンセットになっています。具体的には、集中治療部+麻酔科、放射線科+脳神経外科、皮膚科+形成外科、腎泌尿器外科+整形外科、眼科+耳鼻咽喉科、精神科+病理部の6セットです。

休暇

4クール(2週間×4回)取れます。時期はひとによりまちまち。

6年生について

6年生は緩和ケアが必修で、あとは選択らしいです。5年生では1週間だったSPBの各診療科も、6年生で選択すると2週間回れます。6年生でしか回れない科としては救急があるようです(他にもあるかもしれない)。

また、6年生では実習を数か月海外で行うという選択肢があります。コロナでしばらく中止になっていたのですが、つい最近募集があり、このまま感染が拡大しなければ来年度は海外実習が復活しそうです。

 

病棟実習の実際

選択とは言っても内科は7/9、外科は5/8選べるので、パーフェクトではないにしても希望はおおむね通ります。

というより、もはや下の方の順位は何にしたか覚えていないから希望がどれくらい通ったのか自分でもわからない、という人も結構います。

各診療科を回る時期や一緒に回る学生は、3月下旬にローテが決定するまでわかりません。一緒に回るメンバーは1クールごとに変わり、人数も科によってまちまちです。1回も一緒にならない人もたくさんいるし、3回くらい一緒に回る人もいます。

私の場合

第1クールから第4クールまでの8週間ずっとSPBが割り当てられていたので、すでに8診療科まわりました。

今週は初めての内科です。このあと産婦、内科と続いて初めての外科は7月にやっとあります。

病棟実習の流れ

  1. 代表学生が担当の先生と連絡をとる
  2. その科の実習内容が説明される
  3. 実習(カルテ記載、オペ見学、外来見学、診察、レクチャーなど)
  4. 総括(諮問、プレゼン、レクチャーなど形式はさまざま)
  5. 振り返り(アンケート的なものを記載する)

やってみて初めてわかったこと

コロナの影響で都度内容が変わる

COVID-19の流行次第では、実習がほとんどオンラインになってしまうことがあります。

4月の第1クールはほぼ登校ナシとなっている診療科もありました。現在はどの診療科も病棟実習が復活しています。ただ、実習中の学生がワイワイするための「演習室」が気軽には使えなかったり、レクチャーがZOOMだったり、午前中で帰らされたりなど、まだ少し影響はあります。

今後も感染拡大の状況次第で実習の内容が変わってしまう可能性はあります。せっかくの実習なので、できるだけ病棟にいられれば嬉しいのですが…。指導してくれている先生方もいろんなプランを用意しておかなくてはいけないので、大変ですよね…。

OSCEは大事

唐突に「やってみる?」と言われて、患者さんの診察をしたり問診をしたり術野に入ったりするチャンスが訪れます。4年生のOSCEで要求されるレベルのことは身についていないと冷や汗をかきます。

私は先週、「新規入院患者さんの身体所見をひととおりとる」というイベントが急に発生して、全然できなくてとてもへこみました。

先々週は、オペ見学中に急に「術野入る?」と言っていただいて、手洗い(外科医がする本格的な手洗い)をしたものの指輪を外し忘れていてやりなおしになり、手術ガウンを着るのに手間取って「あ、もうそれ不潔(※)」と言われてやりなおしになり、とてもへこみました。

(※)不潔、とは「汚い」とかいう話ではなく、滅菌されてないものに触れたね、という話です。

学生に優しい

たぶん基本的に何も期待されていないので、怒られたりはしないです(オペ中に清潔野を不潔にしそうになったり、邪魔なところに立っていれば注意はされる)。

カルテのサマリを上級医の先生が丁寧に直してくれたり、手術中に丁寧に解説してくれたり、こっちが恐縮するくらい教えてくれる科もあります。

研修医の先生はとても忙しいので、連絡がつかないこともたまにあるようですが、私が先週お世話になった先生は本当に面倒見がよくて、学生でもできることがあるときはいつも声をかけてくれました。

実習の予定表にないことでも、見学したい、と言えばだいたい調整して見せてくれます。個人的には外来見学が好きで、実習の予定表になくても、見学可能か聞いてみることにしています。

カルテの使い方はOJT

電子カルテの使い方について簡単な説明書はあるのですが、細かいことは触って覚えるという感じです。正直最初はなにがなんだかわかりません。内科を1つ回ると多少はわかるようになります。

総合診療科を回るといろいろなコツを教えてもらえるというウワサですが、私はだいぶ後の方に回るので、残念。

朝早い

前にも書きましたが、朝早いです。8:00からミーティング、という科が結構あります。これに学生も参加してね、というパターンだと8:00前に大学にいる必要があります。概して外科系は早いです。

夕方の拘束はほとんどありません。担当症例のオペが長い時は残ったりしますが、それでも17時をすぎると「いいところで帰ってね」と声をかけてもらえます。昼解散もしばしばあります。コロナとか働き方改革とかの影響かもしれません。

診療科ごとにスケジュールが異なり、直前まで、時には前日まで、スケジュールがわからないのが私にとってなかなかつらいところです。

迷子になる

ロッカーがある建物と病棟の連絡階が限られています。職員用エレベーターがわかりにくい位置にあります。階段は何か所かあるのですが、場所によってはドアがあけられない階があります。コロナ患者入院病床があるのでさらに複雑なことになっています。手術室への行き方が初心者には難しいです。

そんなわけで、はじめの何週間かはみんな迷子になります。

ただいま建設中の「機能強化棟」が完成したら、さらに迷子になりそうな気がします。

 

つぶやき

いつもながら雑多に書いてしまいました。

各診療科でいろいろな発見(や反省…)があるので、また時間のある時に書きたいと思います。