東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

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病棟実習 第1〜第4クール

久しぶりの記事ですが、自分の備忘を兼ねて、実習のことを書こうと思います。

 

第1~第4クールで回ったのは以下の科(部)です。

集中治療部/麻酔科/皮膚科/形成外科/脳神経外科放射線科/泌尿器科/整形外科

たまたま1週間ごとにローテするタイプの診療科(SPB)が4クール続いていたので数が多いです。

 

全体的な思い出と、発見したことと、見学ではなく実際にやらせてもらえたことを書いておきます。

 

集中治療部

私が回った時はICUが比較的落ち着いていて、平和でした。しかし当然ながらシビアな患者さんがいらっしゃることもあり、終末期のケアやご家族とのコミュニケーションについての本がいくつも置いてあったのが印象的でした。

1週目だったので私はやる気に満ち満ちており、動画教材を超きっちり予習してから実習に臨みました。結局ICUローテ中に予習して良かった~と直接感じる機会はほぼなかったのですが、この時の知識がのちのち他科で大変役に立ちました。

発見

・医科歯科の集中治療「部」は主治医にならない(主科と相談しながら管理する)

・挿管している患者さんばかりというわけではない

・術後管理の患者さんは問題なければ2日くらいで退室してゆく

見学以外で経験したこと

・ASO患者さんの足背動脈の触診

 

麻酔科

あさイチの手術のために準備をするところから始まるので、朝が早かったです。女性の先生も結構いました。教育的で、様々な麻酔を見学させてくれた&しっかり諮問がありました。片肺換気、小児の麻酔、産科麻酔は特殊なので、6年生で選択すれば見られるとのこと。図書館で借りて行った「麻酔科研修チェックノート」が役に立ちました。

外科を回る前に麻酔について学べたので、外科で手術見学に入った時にも麻酔のことまで少し理解できるようになったのが良かったです。

発見

・初期研修医からやらせてもらえる手技が多い

・上手な麻酔科医は先手を打つので術中バイタルの変化が小さい

・麻酔が安定している間はあまりやることがない

・体位を変える(ベッドの傾きを変える)のは麻酔科医の仕事

見学以外で経験したこと

・BISモニタ(意識レベルのモニタ)を貼る

・朝カンファでの発表

 

皮膚科

参加必須になっている部分が少なく、激ゆるでした。オプションになっていた外来見学に参加したら、とても勉強になりました。見学のつもりで外来に行ったら初診患者さんの病歴聴取を任されたときは焦りました。

発見

・いわゆる皮膚疾患の他に、膠原病、腫瘍、コロナの後遺症、アレルギーなどの患者さんがおり、思ったよりカバーする疾患が広い

・小手術もする(腫瘍の切除など)

・女性医師が多い

見学以外で経験したこと

・初心患者さんの病歴聴取と先生へのプレゼン

 

形成外科

最初にカンファに参加したのですが、前日のオペが深夜3時くらいに終わったらしく、なかなかの空気でした(笑)。患者さんのQOLに直結する仕事をするので、とっても感謝されそうだなと思いました。他の場所から組織をもってきたり、顕微鏡のぞきながら血管を吻合したりするので、ダイナミックかつ繊細なオペが多く見学のし甲斐がありました。

発見

・他科と一緒に入るオペが多め

・大きなオペの場合、形成外科医の役目は最後に回ってくるので夜遅くなりがち

・個々のケースに合わせてクリエイティブに形成する(ガイドラインなどにしにくい分野)

見学以外で経験したこと

・模型を使った皮膚縫合の練習

 

脳神経外科

もともと脳に興味があるせいかもしれませんが、想像してた以上に楽しかったです。術野に入れてもらったり、顕微鏡をのぞいて血管吻合の練習をしたり、いろいろとやらせてもらえたことも大きかったかもしれません。閉創の糸結びをさせてもらえたのですが、緊張しました…!お願いしたら外来も見学させてもらえました。

開頭手術も脳外っぽくて良かったのですが、鼻の穴からアプローチして脳底にある腫瘍を切除する手術(経蝶形骨洞下垂体腺腫摘出術)も興味深かったです。6年生では2週間回るので、血管内治療(脳動脈瘤のコイル塞栓術とか)の方も見られるようです。

発見

・女性医師がわりと多い

・研修医2年目の早いうちに入局宣言しないと締め切られてしまう(シーリングがあるし人気)

・大開頭オペが多いわけではない

見学以外で経験したこと

・血管モデルを使った血管吻合の練習(顕微鏡下)

・術野に入る

・閉創の糸結びと糸切り

 

放射線

読影のレクチャーと、放射線治療の現場の見学がメインでした。学生が実際にできることは少なく、放射線を扱うので直接見学もできませんでしたが、レクチャーが充実していました。医科歯科には放射線「診断科」と放射線「治療科」があり、6年生では診断科か治療科のどちらかを選んでもっとディープに実習できるようです。

発見

・癌治療の照射は再現性命なので患者さんは固定具(個別に作成した立体的な網状のもの)でガチガチに固定する

肝細胞癌のラジオ波焼却も放射線科医がやる

見学以外で経験したこと

・実際の症例を用いて腹部CTの読影デモ

 

泌尿器科

いかにも泌尿器っぽい前立腺癌のダヴィンチ手術と、ミニマム創の腎・尿管摘出術を見学できました。長時間の手術が多く、膀胱再建があった場合はもっと長くなるとか。一方で排尿障害に内科的な治療もしたりして、外科から内科まで、いろいろできるのが泌尿器の魅力だと思いました。ダヴィンチの登場で、この領域のオペは大きく様変わりしたようです。

発見

・腎臓のオペは泌尿器科の仕事(腎泌尿器外科と言ったりする)

・女性医師は予想通り少ない

・医科歯科泌尿器のFacebookページがある

見学以外で経験したこと

ダヴィンチの操作ドックに座って術野を見る

・模型を使って尿カテ挿入の練習

 

整形外科

私は「上肢」班の先生が指導医だったので、肩の腱板断裂のオペをメインで見学しました。他に、脊椎の手術と、膝の手術も見学しました。患者さんは高齢の方が多いですが、スポーツ系で若い方もいました。忘れがちですが骨・軟部腫瘍も整形外科の領域です。整形外科のローテ中にリハビリ部も訪問しました。

イメージ通り整形外科の先生方は明るく・さわやか・フレンドリーな方が多かったです。個人的には、トンカチ・ドリルが登場するオペは向いていない気がしました…。

発見

・整形のオペは超清潔にする必要がある(無菌領域・人工物を入れる・血流少ないため)

・特に膝関節や股関節のオペでは宇宙服のような手術着を着て完全防備

・リハ部は整形の患者さんだけでなく、術後や内科的治療中の患者さんもいる

見学以外で経験したこと

・術野に入る

・模型を使った骨折の創外固定の練習

 

つぶやき

第1~第4クールは1週間で回るSPBばかりだったので、目まぐるしい日々が続きました。診療科が変わるたびに目標を書いたり反省と自己評価を書いたりするのですが、1週間ローテが続くとこれも頻繁になるので毎週大変でした。

心配していた""朝保育園に送れない問題"は、家族の協力とファミサポの利用でどうにか乗り越えてきました。直前まで予定が確定しないこともままあり、外注したものの「別に自分で送れたな…」と言う日もありましたが、まあよし。

SPBでは「この手術でレポート書いてね」などはあっても、いわゆる「担当患者さん」の割り当てはないので、患者さんとの交流は皆無でした。カルテを見ることはあっても、自分で書くことはないまま来てしまったので、今後の内科ローテが若干不安です…。

上に書いたものの他に、クルズスと言う短い講義的なものがちょこちょこあったり、用意された動画で自習したり、レポートや発表などの課題がでたりしています。ローテに合わせてその科の知識を復習しようと思ってはいるのですが、ついつい実習の方が楽しくて&朝方生活が眠すぎて、自習は思うようにはかどっておりません…。