東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

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学部2-4年生 専門科目以外の科目(その1)

編入生は2年生からスタートするため、解剖学や生理学など、いわゆる専門科目から学び始めます。

一方で、4年生の前半までは週に1日ほど、専門科目ではない科目を学ぶ日がありました。

本記事では、これら専門科目"じゃないほう"の講義の概要をご紹介したいと思います。

前の記事で書いた通り、今後カリキュラムが変わる可能性も大いにありますが、これまで私が受講したものについてご参考までに書いておきます。

長くなりそうなので、2つの記事にわけてご紹介します。

 

教養科目

教養科目を落とすと、それだけで留年します。

生命科学基礎(生物学):2年生

2クラスに分かれて受講しました。受験の際に生物を選択していたかどうかでクラスが分かれていたようですが、編入生は「選択していた」方のクラスに自動的に振り分けられました。

内容としては、サーカディアンリズムメラトニンについて、基礎から分子生物学的制御機構、関連する周辺事項などを学びました。

もう1方のクラスもテーマは同じであったようです。

生命科学基礎(化学):2年生

化学熱力学、生体高分子、反応速度論を学びました。

試験が難しめでしたが不合格者は少なく、合格ラインは低めに設定されたのではと推察します。同時期に専門科目の試験もあるので、教養まで手が回っていない人も多かったです。

 

Global Communication

2年生と3年生で必修の英語の授業です。この講義も、落とすと留年です。

A~Hまで8つのクラスに振り分けられます。編入生は受験時のTOEFLの点数、それ以外の学生は前年度に学内で受けたTOEFL iTPの点数が参考にされるようです。ちなみに私はスコア89でCクラスでした。他の編入生4人はAクラスです…。2年次と3年次で若干のクラス替えがありますが、私は2年間同じクラスでした。

先生はネイティブです。先生のキャラクターによって授業の雰囲気が変わるようですが、基本はゆるめです。出席には厳しく、留年する理由の多くが出席日数不足です。

2年次

2年生の間は、2週に1回くらいのペースで授業があります。

授業は

  • 100 words エッセー(事前提出)
  • 医療に関連する単語のテスト
  • その日のテーマに沿った英語のグループワーク

というセットで進みました。単語やその日のテーマは事前に提示されるので予習していく形です。

3年次

内容がほんの少しだけ高度になりますが、基本は2年次と同じです。違う点は、ほぼ毎週あるという点だけです。

年度末に、グループごとの英語プレゼンが課されました。

 

臨床統計

2~4年生まで必修の授業です。

2年次

先生が2人おり、講義内容もガラッと変わります。

徳永先生パートは、統計学の数学的な部分についての講義です。ベイズの定理や中心極限定理など、重要な定理について数式を使って理解していきます。

試験問題としては、たとえば次のようなものが出ます。

有権者全体における内閣支持率𝑝を調べるために, 𝑛人の有権者を無作為抽出してアンケート調査を行うとする。この調査において「支持する」と答える有権者の人数を𝑋とするとき, 以下の問いに答えよ。

(1) 𝑛 = 3600として実際に調査を行ったところ, 𝑋 = 1200となった。支持率𝑝の 95 %信頼区間を求めよ。

(2) 支持率は以前の調査では 30 %であった。支持率の変化について, (1)と同じデータを用いて有意水準 5 %で検定して判断せよ。

(3) 調査によって得られる支持率と本当の支持率との差を 2 % 以下に抑えるためには少なくとも何人の有権者にアンケートをとればよいか。ただし信頼度は 95 %とせよ。

 

能登先生パートでは、研究デザインとその特徴や、バイアス・誤差について、Evidence Based Medicineの実践についてなど、もう少し概念的なことを学びます。

試験問題としては例えば次のようなものが出ます。

以下の選択肢のうち,正しいのはどれか.

a 症例対照研究では要因曝露の有無別に疾病発生状況を調べる.

b 無作為比較試験には二重盲検化が必須である.

c コホート研究では相対危険度を推定できない.

d ワクチンの効果判定には横断研究が用いられる.

e 治験は介入研究の一つである.

外部の先生の特別講義が数回ありました。

3年次

能登先生です。感度、特異度やp値の解釈、エビデンスの取り扱い方や解釈などについて学びました。

後半は自分で研究デザインや検定法を選択する練習をしたり、実際に疫学論文を読んで解釈したりと実践的な内容がありました。

4年次

能登先生です。具体的なデータを配布され、Rという有名な統計ソフトを使って自分で解析し、表にまとめた上で解釈・考察までしてレポートを提出する、というかなり実践的な内容でした。

初心者である前提なので、わからないことは講義中にいくらでも質問できます。

授業時間内に平行して行われる「発展コース」の案内もあり、私はこれを受講しました。

 

つぶやき

今振り返ると、臨床統計は今後もずっと役に立つ内容だなと思います。臨床に出てからいろいろと役立ちそうです。

個人的に一番きつかったのは生命科学基礎(化学)です。熱力学はともかく、反応速度論は昔やったはずだけど忘れていて、生体高分子は私のニガテな「理屈ではなくとにかく覚える」作業が多かったので…。

 

次の記事では、残りの「生命倫理」と「主題科目」について書く予定です。