学士号を持っている場合、医学部に入学する方法が2つあります。
一般入試と、編入試験です。
一般入試はいわゆる大学受験、つまり、現役高校生と戦うわけです。共通テストを受け、2次試験を受け、医学部ならふつう面接もあります。
もうひとつが編入試験です。ほとんどの大学が学士号取得を前提としていますから、ライバルは現役大学生もしくは大学既卒の人です。
ここで一度、それぞれの試験について整理してみます。
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一般入試
いわゆる大学受験。
【科目】
- 大学入学共通テスト…国立は基本5教科7科目、私立はまちまち
- 2次試験…英語、数学、理科×2が標準
- 面接
【時期】
- 共通テスト:1月中旬(出願が10月ころ)
- 2次試験:2月中下旬
- 発表:3月上旬
【良い点】
- 情報が多い
- 参考書や模試が多い
- 出題範囲が高校レベル
- 基本的に純粋に学力によるので、自分の実力を把握しやすい
- 入学後、同級生になじみやすい
【悪い点】
- 科目数が多く、文系科目もこなす必要がある
- 共通テストは私たちの受けたセンター試験とは少し傾向が違うはず
- 卒業までに最低6年かかる
- 高校の卒業証明書等を提出する必要があり面倒
- 社会人は合格発表から退職までが超バタバタのスケジュールになる
学士編入試験
※私は初めから医科歯科一本だったので、他大の情報はご参考程度
【科目】
- 大学による。数学、物理、化学、生物、英語等。
- 小論文などが課される場合もある。
- 面接は必須。
医科歯科はおそらく特殊なパターンで、2019年度入試からは
- TOEFLスコア80(出願要件)
- 書類審査(募集要項に明記された)
- 筆記はほぼ英語のみ(論文2本の読解)
- 面接
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大学による。5月~8月くらいが標準?
【良い点】
- 入試日が重ならなければ国立大を複数受験することが可能
- 科目数が少ない
- 2年次or3年次からスタートできるので卒業が早い
【悪い点】
- 情報が少ない
- 筆記試験以外の要素も大きいため、合格可能性をはかりにくい
- 倍率が高い
- 試験日が平日のことがある(仕事などを調整する必要あり)
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私は社会人で受験したので、地味に「試験が平日」とか「退職手続きまで時間がない」とかいうあたりも気になりました。
受験プランを練るにあたって重要な検討ポイントは
- 医学部以外の未来はアリかナシか
- いつどのように勉強するか(独学か塾か)
- 大学の立地にこだわるか
- 金銭的制約はあるか
- 自分の勝負どころはどこか
などでしょうか。
とくに1つ目は最重要questionだと思います。
医学部以外の未来が「ナシ」なら、編入試験を受けつつ一般入試も受けることを激しくオススメします。編入は「確実に受かる」という手ごたえがあまり得られないからです。一般は、学力さえ届けば基本受かります。
もし、挑戦するけれど背水の陣というわけではない(職をキープしているなど)なら、最長何年まで挑戦するか、よく考えておくとよいと思います。
「何かを始める時は、どうなったらやめるのかを、はじめに決めておくのがコツである」
何かの本で読みましたが、これとても重要です。
私の場合
- 医学部以外の未来は「アリ」
現職に不満があるわけではないし、何年も挑戦し続ける自信はありませんでした。そこで、2年間挑戦してダメならセンスなしと認めて受験を終了して、今の仕事を継続すると決めました。
つまり私の場合、ゴールは「合格 or 2年経過」です。
次に、一般と編入の過去問にざっと目を通しました。
勉強は好きなので苦じゃないのですが、時間の捻出が課題でした。
しかしチャンスは多い方がいいと思ったので、直近の一般入試をまず受験して、そこから2年間、挑戦することにしました。
ここまで決めたら、次は具体的な受験校選びと、勉強法の検討です。
続きます。