東京医科歯科大学(東京科学大学(仮))医学部編入とTOEFL受験

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東京医科歯科大 医学科4年生のプロセメ プロセメ前後の研究機会

今、入学してからのインプットの時期が終わり、プロセメを経て、臨床導入実習(PCC)が始まっています。来年、student doctorとして病棟に立つための訓練ですが、座学も実習もとても楽しいです。PCCについての記事はまたのちほど書こうと思います。

 

さて、しばらくはプロセメの思い出を書くと決めていたので、書きます。

だいぶ間があいてしまいました…

 

今回は、プロセメ前、そしてプロセメ後の研究についてです。

 

医科歯科では研究のチャンスがずっとある

医科歯科では、プロセメ前後の「研究実践」、プロセメ後の「研究者養成コース」「MD-PhDコース」という、正式に研究室に所属して研究できるシステムが存在します。

研究に興味のある学生は、最速で2年生から研究室に所属できます。

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シームレスな研究者養成プログラム
(出典:東京医科歯科大学webサイト https://www.med.tmd.ac.jp/medicine/seamless.html

いろいろあってややわかりにくいのですが、私の理解している範囲で、同級生の状況なども織り交ぜつつ書いていきたいと思います。

 

研究実践プログラム

1年生から6年生まで、1年度ごとに選択できるプログラムです。研究室を選んで研究に参加し、修了後には単位として認定されます。

プロセメと同じく基本的に研究室側は学生ウェルカムで、2年・3年のときには先生方が研究内容についてショートプレゼンをして学生を勧誘するという催しもありました。毎年研究室を変えていろいろ経験したい、という姿勢も歓迎されていて、敷居は低めです。

正確に把握していませんが、1学年約100人いる中で10人くらいは研究実践で研究室に通っていたような印象です。

研究時間は「授業時間外」とされていますが、2年生、3年生はほとんど授業でびっしりなので、日中に通うことはほぼ不可能です。研究室に行くのは放課後、土日、長期休み中が基本となります。どれくらいどっぷり研究するかは学生と研究室次第で、人それぞれのようでした。

研究実践とプロセメで同じ研究室を希望する場合は、研究室選びのときに優先されるのが暗黙のルールになっています(研究室の調整は学生同士で行います)。プロセメの後も、研究実践プログラムを利用して研究室に通い続けることができます。

 

いわゆるMDと、MD PhD

研究者養成コースの話をする前に、MD PhDについて簡単にご説明します。

医学部を卒業すると、MD(Medical Doctor)の学位を取得することができます。

※本来、MDとは米国でメディカルスクール(専門職大学院)を終了して得られる学位ですが、日本では医学部卒業でMD取得とすることになっています。

PhDは博士号を取った場合に得られる学位です。医師免許とは関係ないので、医学部卒でなくても医系大学院で博士号を取った人はみんな医学のPhDをもっていることになります。

医学部を卒業して、かつ博士号も取った場合に「MD PhD」を名乗れることになります。初期(+後期)研修が終わった後どこかのタイミングで大学院に入学し、PhDを取得するという流れが通常です。

海外では、MDがあればPhDは重視されない場合もあるようです。日本の、特に大学でポストを得るには、PhDをもっていたほうが有利だと思います。

 

研究者養成コースとMD PhDコース

医学部はそもそも6年で、一般的な大学より長いです。そのあとさらに大学院で4年過ごすと、将来臨床もやろうと思った場合には初期研修が終わるまでトータル12年かかってしまい、なかなかハードルが高くなります。

そこで、このハードルを少しでも下げるために用意されているのが研究者養成コースです。医科歯科の場合、研究者養成コースを選択するとこんなメリットがあります。

  • 原則3年で博士号を取得できる
  • 初期研修と研究を平行して行うことも可能
  • 大学院の筆記試験免除
  • 大学院在籍中に奨学金を受け取れる(10万円/月程度)
  • 将来研究を続ければ奨学金返済免除
  • 医科歯科で研究を続けるなら特任助教のポストを用意

研究をすると決めている人にはかなりお得なコースだと思います。上の方にお示しした図を見ていただくと、PhD取得までの期間が短縮されていることがわかると思います。

 

MD PhDコースはさらに特殊形で、4年生のあと5年生に進学せずに、先に大学院で博士号を取得してしまうという離れ技を可能としたコースです。3年間研究して博士号を取得したあと、5年生に戻ってきて病棟実習を行います。

 

実際のところ

私の学年では、プロセメの研究室でそのままMD PhDコースに突入すると決めた人が数人います。彼ら・彼女らとは5年生からは別々の道を歩むことになります。

私自身は、研究には興味があるし、将来的に大学病院での勤務も選択肢にはありますが、なによりまず臨床医として責任をもって患者さんを診られるようになりたいので、研究者養成コースの利用は考えませんでした。

ある程度臨床をやってから研究に移ると、研究の傍らバイトできるというメリットがあります…!

 

旧帝大や慶応大にも似たようなコースがあるようなので、研究を視野に入れている方は各大学のシステムを調べてみるのがオススメです。

編入試験の際も、研究者養成コースを本気で考えているのならアピールになるかもしれません。

 

 

更新が滞ってしまいましたが、次回はシンプルにプロセメ中の思い出として、大学院のラボの雰囲気をお伝えしたいと思います!