このブログを見てくれている方はきっと、医学部に興味がある、大学生以上の方が多いですよね。
編入試験を受けようと決心している方も、そうでない方もいると思いますが、医学部に興味を持った理由はさまざまだと思います。
私が受験前にネットサーフィンして見つけた諸先輩のブログにもいろいろな理由が書かれていました。まだ編入試験を受ける決心がつかず、自問自答を繰り返していたころ、いろんな意見を目にして参考にしていたことを思い出します。
今回は、私が受験を決意するまでのあれこれをご紹介しようと思います。
かつての私のように、迷っている方のご参考になれば幸いです。
といっても、私の志望動機はシンプルにひとことで「○○だから」と言えるようなものではないです。様々な偶然やめぐりあわせやタイミングの積み重ねで、最終的にここにたどりつきました。
物理学から脳科学へ
そもそも私は生物学が好きでした。高校時代にDNA複製の機構を知って、その精巧さに感動したのを覚えています。
しかし、それ以上に物理学が好きでした(今でも好きです)。それで、大学では物理をやって、研究の道に進みたいと思いました。
今思うと非常に盲目でした。研究や研究者がどんなものかもよくわかっていないし、調べもしていなかったです。高校生だったので仕方ない部分もありますが、我ながら甘かったなと思います。また、生物が好きだったけれど医師という選択肢はなぜか1ミリも考えませんでした。物理に夢中!という感じでした。
そして、大学では晴れて希望通り物理学科へ進みました。そこで衝撃を受けます。周りには私より物理が好きで、私よりはるかに賢い同級生がごろごろいたのです。これは、実力的にもモチベーション的にも続かない、と思いました。結構な挫折感でした。
幸い、学部の途中で脳科学との出会いがありました。究極の素粒子や宇宙の始まりを追及するのと同じくらい、脳の研究は魅力的でした。そして大学院では脳科学系の研究室でデータ解析チックなことを始めます。
大学院で、1つ目のめぐりあわせがありました。たまたま、小児科との共同研究の話があり、そのプロジェクトに参加させてもらえることになったのです。しかも、最終的にその研究をfirst authorとして論文にまとめることができました。また、進学後に知ったのですが、私が進学したコースには医学部と連携している授業がいくつかあり、それらを履修することができました。
思い返せばこの時が、私と医学の最初の接点でした。
ライフサイエンス分野での仕事開始
とはいえ、大学院では「これだ!」というもをつかめず、ふらふらしたまま就活をします。そして一応希望のところに就職しました。
ここで2つ目のめぐりあわせがありました。
私のバックグラウンドはどう考えても「物理学」や「数値解析」なのですが、研究のテーマ(脳)だけが独り歩きして、なぜかライフサイエンス系の仕事を担当することになりました。
最新の研究について調査したり説明したりする場面も多々あり、自己流でなんとか勉強しながら仕事をしましたが、なかなか思うようにはできませんでした。周りにはその分野を専門とする職員ばかりで、このままではまずい、という焦りがありました。一度きちんと体系的に勉強したい、と思いをモヤモヤと抱えたまま日々業務を行っていました。
医療分野での仕事
そんな時、3つ目のめぐりあわせがありました。異動して、医療系のプロジェクトに携わることになったのです。医師とも仕事をしました。知れば知るほど医師という仕事は幅が広く、意義深く、また医療の世界の様々な課題についても知りました。プロフェッショナルである医師の方々の知識量や患者さんへの思いに感服しながら、一方で、あまり役に立てていない自分に、ますますもどかしさを感じていました。
子供が生まれるというライフイベントもあり、この先の自分の人生やキャリアについて考えました。
ちゃんと勉強しないと、いつまでも「そこそこ」の仕事しかできないんじゃないか?私はこのままで何のプロになれるのか?あれ、私の人生こんなんで良かったんだっけ?
職場や仕事に不満はなかったのですが、自分がこの分野で良い仕事をするためには、一度きちんと腰を据えて勉強する必要があると思いました。
この時、勉強したいと思っていたのは大学レベルのライフサイエンスと、実践的な英語です。そして私はまず初めに英語を勉強しようと思ったのでした。とくにアウトプットがダメで、4技能試験でないと意味がないと思ったので、一度TOEFLを受けようと決めました。
TOEFLから編入試験へ
TOEFLについて色々調べていたら、ある日、医科歯科の学士編入試験の募集要項がヒットしました(医科歯科は一定以上のTOEFLスコアを持っていることが出願要件になっています)。
これが最後にして最大のめぐりあわせでした。医学部で学びなおすことはそれまで全く選択枝として頭にありませんでした。医学部に編入した友人がいるので、そういう制度があること自体は何となく知っていましたが、我が事としてまじめに考えたことがありませんでした。来世は医者かな~と冗談で言っていたくらいでした。
しかし、それ以降、医学部について、編入について、調べれば調べるほど、もうこれしかないんじゃないかと思えてきました。
高校で生物が好きだったこと
大学院での勉強と研究
就職後の配属と現在の医療系プロジェクト
勉強したいという切迫感
これまでの紆余曲折が、すべてここに集約しているような気さえしました(←ハイになっていました)。
さらに東京医科歯科大学という名門校が、自宅から通える範囲にあり、2年次学士編入を募集している。
さらにさらに、試験内容が近々ガラッと変わり、私にとってはより有利な内容になる。
このチャンスを逃してはいけないと思いました。
そして、医学部編入へ向けて、動き出すことに決めました。
続きます。